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龍砲艦隊〔…裕太がやらかした!〕  作者: どうない あつし
3/27

ミッドウェー

9

開戦から半年、連合艦隊司令長官である山本五十六は大和艦上にあった。


『諸君!よく聞け!

ハワイをもう一度攻撃し、占領しなければならない。

その後アメリカ西海岸に侵攻し、この戦争を有利な交渉の上終わらせるのだ。

しかし、その前にミッドウェー島の攻略、空母の撃滅が急務である。』


山本は真珠湾攻撃後、各地にて勝利を収めてきたがここに来てアメリカが本気を出して来たと判断した。


空母ホーネットに搭載されたB-25 による日本本土初の空爆を許したのである。


この頃すでに真珠湾攻撃においてアメリカ艦隊に大打撃を与え、東南アジア方面ではイギリス海軍 戦艦プリンスオブウェールズ、レパレス2隻を撃沈し、空母ハーミスも撃沈している。


アメリカ空母はレキシントンを撃沈したがヨークタウンは中破に終わっている。



今現在、日本は正規空母 翔鶴が中破し修理中で 瑞鶴はパイロット不足により戦線離脱している。

よって参戦出来る正規空母は4隻である。


アメリカ側は空母エンタープライズ、ホーネットの2隻だが突貫工事により修理したヨークタウンも参戦可能になり3隻を海軍中将ニミッツ提督が率いていた。



10

いよいよミッドウェー沖海戦が始まろうとしている。


日本側の戦力は

南雲忠一 中将率いる

正規空母 赤城、加賀、飛龍、蒼龍 の4隻

戦艦 2隻

重巡 2隻

軽巡 1隻

駆逐艦 12隻


さらにその後方には

戦艦大和を中心とした軽空母 2隻

を含む主力部隊が山本五十六 司令長官が率い合流予定である。


一方、アメリカ艦隊は

大型空母 エンタープライズ、サラトガ、ホーネット の3隻

戦艦 無し

重巡 7隻

軽巡 1隻

駆逐艦 15隻


比べるまでもなく圧倒的な戦力差があり搭載された飛行機も優秀な零戦で、パイロット達も各地で戦闘を重ねた熟練者達である。




11

南雲中将は当初、アメリカ艦隊を探すため索敵機を多数飛ばし発見に力を注いでいた。


しかし、アメリカ艦隊は見つからずミッドウェー島攻略を先に行う決断をした。


『第1次攻撃隊発進!』


108機の攻撃機が発進していった!

攻撃隊はミッドウェー島に爆弾を投下し滑走路などを破壊。

隊長はある程度の戦果を得たのち無線を艦隊に向け打電した!


『第2次 攻撃の要あり!』


破壊し損なった建物などがまだ多くあったためもう一度攻撃する必要があったのだ。



その頃日本艦隊にはアメリカ航空機の攻撃があったが被害も軽くある程度の敵機も撃ち落としていた。


南雲中将は飛来したアメリカ機は基地航空隊の物と判断し空母はいないと決断した。


『第2次攻撃隊!兵装を陸上攻撃用に準備せよ!』


第二次攻撃隊は空母が見つかった時のために兵装を空けていた。

艦船用の爆弾や魚雷と陸上用爆弾を選択するためである。




12

兵装の取付が終わろうとした矢先!


『敵らしきもの10隻見ゆ!』


との無線が索敵機より入電!


日本軍に緊張が走った。

兵装を陸上用から艦船用に切り替えなければならないのか?


ここで司令部はジレンマに陥った。

タイミング悪く第1次攻撃隊が帰投してきた為、

先に攻撃隊を着艦させるか?

アメリカ機動部隊の攻撃隊の準備をさせるか?


そこにさらに無電が入り

『敵 空母らしき船影確認!』


これで空母がいる事が確実になった。


攻撃隊をいち早く発艦させなければならない。

味方機も、着艦させなければ燃料切れにより海に墜落してしまう。


結局、司令部の決断は着艦させたのち攻撃準備させる事に決定した。


しかしこれが最悪の結果を招いたのである。

陸上攻撃用のまま即座に発艦させ、その後に着艦させれば良かったのだが司令部は陸上用では艦艇に効果が少ないと判断しこのような決断になったと思われる。




13

第1次攻撃隊を収容し機動部隊攻撃の発艦準備が整った直後!


蒼龍がアメリカ機による攻撃を受けた。


さらに赤城が爆弾をくらい、加賀も攻撃を受け3隻とも大火災になってしまった。


甲板上には発進直前の攻撃隊や兵装の交換により爆弾などが大量に置かれていたため次々と誘爆していったのである。


蒼龍、赤城、加賀が炎上し攻撃隊も発艦出来なくなってしまったのだ。

日本艦隊は正規空母を4隻中3隻も失ってしまった!


残った飛龍がやっと攻撃隊を発艦させたがその後、甲板に爆弾を受け炎上してしまった。


これで4隻とも使い物にならなくなった。


航空隊をほぼ失い、攻撃力を事実上なくしたため日本艦隊は引き揚げざるを得なかった。


飛龍攻撃隊だけが戦果を挙げたが戻る母艦もなくかなりの損害を出してしまった。



ミッドウェー海戦のあっけない終了である。


アメリカ艦隊の被害は空母ヨークタウンを失ったが戦力的に勝っている艦隊に大勝利である。


日本はこの海戦により正規空母を4隻も失い多くの熟練パイロット達も戦死し事実上太平洋の制海権は逆転してしまった。


このミッドウェー海戦をきっかけに、日本の連勝も影を失い今後の戦況にも多大な影響を与える結果となった。


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