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龍砲艦隊〔…裕太がやらかした!〕  作者: どうない あつし
25/27

東京

73

大本営では内閣総理大臣の東條英機、外務大臣、陸軍大臣、海軍大臣、その他大臣数名さらに各軍司令長官などが集まり会議を開いていた。


会議は陸軍派と海軍派の一騎打ちである。

つまり戦争推進派の陸軍と和平派の海軍で連日平行線のまま続いていた。


陸軍側はアメリカ大陸に橋頭堡が築かれた事で勢いを増し、ドイツと共に世界を二分化出来ると言う提案をしている。


海軍側は今こそがアメリカと有利な形で和平が出来ると考えているのだ。



そこで連合艦隊司令長官の山本が意見を述べた。

『現在、確かに西海岸において我が国の基地が機能しはじめ、アメリカ軍も手をこまねいているようであります。

しかし、先にも話した通り原子爆弾の開発がもう実験段階に入っているのです。

この実験に西海岸の我が軍に使われでもしたら1発で壊滅するほどの威力があると言われてます。

さらにドイツ軍の占領地の状況を見て見ますと、何万人と言うユダヤ人が虐殺され、辛い労働につかされているようです。

ヒトラー総統は今後ソビエトを占領したらそれで終わりでしょうか?

世界制覇を考えていないと言えるでしょうか?』


東條総理は

『山本くん何を言っておるのか、原子爆弾はドイツも開発しておるし日独伊三国同盟がある限り心配ない。さらに龍砲の提供による恩もあるのだ。

ヒトラー総統は日本に対して感謝の気持ちが計り知れないはずだ。』


米内海軍大臣

『総理、山本長官が言うのは原子爆弾の開発競争より、その1発で戦況を変えてしまうと言う事です。

ドイツが作っても先に落とされたら我が軍は壊滅です。

報復するにしても一度死んだ兵士達は戻らんのです。

であれば、アメリカも中国と同じく協定を結び和平に持ち込んだ方が犠牲者は少なくて済みます。』


『海軍はいつから腑抜けになった!

死ぬのが怖くて戦争が出来るか!』


とこの様な会話が永遠と続いているようだ。


どちらも決め手が無く時間だけが過ぎて行くのである。



そんな時に重大な報告が飛び込んできた。



74

サンフランシスコ基地が爆撃を受け甚大な被害が出たのだ。

滑走路は穴があき使用できず、港にいた艦隊も数隻が沈没、陸軍部隊もたくさんの車両が被害にあった。


さらに第二龍砲艦隊母艦である兄龍にも爆撃があり大火災が発生していた。


何があったのか?



報告によるとたった30機の大型爆撃機にやられたと言う。


空襲警報が鳴りいつものように戦闘機隊が緊急発進、陸上部隊も戦闘配置につき、龍砲も陸軍に守られ位置に着いたのだ。


まず紫電改がそのパワーを生かしいち早く上空に駆け上がって行った。隼や零戦がその後方から続いたのだ。


『敵大型爆撃機、発見!これより迎撃に入ります。』

『なんだあれは?大きいぞ!』


パイロット達は近づくに連れ大きさによる距離感も違う事に気付いたが遅かった。


『かなりの高高度を飛んでいる。このままでは我々の上空を通過してしまうぞ』


高さにして3000mほど違うのだ。

こちらはやっと高度6000m向こうは楽に9000m以上のところを飛んでいる。


『基地に報告しろ!』

『敵大型爆撃機と会敵するも我が隊の上空を通過し迎撃出来ず、4発の新型爆撃機30機が基地方面にむかっている。

繰り返す、我が隊は迎撃出来ず!』


これを聞いた基地側は慌てた、その高さでは今の高射砲ではギリギリ届かないのだ。

届くとしたら龍砲の46cm砲ぐらいしかない。

龍砲改の高角砲も届かない!


基地司令は龍砲部隊に分散し砲撃要請をだした。


龍砲201から208は移動しながら砲撃を開始した。

弾種は三式弾(焼夷弾子が空中で広がる)だ。


『全艦、打ちまくれ!』


次から次へと空中で花が開いた。

敵機はその中に突っ込んで行く。


『全く効果がないぞ!』


敵機は硝煙の中を何食わぬ顔で全機突き抜けて来てしまった。

そして、爆撃が開始されたのだ。


好きな様に爆撃するとそのまま全機東に帰って行った。

日本軍は手足も出せずやられてしまったのだ。


75

登場したのはB-29スーパーフォートレス【空の要塞】と呼ばれた超大型爆撃機である。

B-29は薄い酸素の中でもパワーのでる過給機を備えたエンジンにより高高度を飛び、最高速も576kmと零戦並みである。

さらに機内は与圧され乗員は酸素マスク無しでも長距離を移動できるようになっている。


武装も防御力も強力だ。零戦が近づけたとしても撃ち落とすのは相当困難であろう。

実際、三式弾では炸裂する前の弾が当たれば別だろうが焼夷弾子ではほとんどと言って効果はないだろう。


さらに爆弾搭載量はなんと9トンである。

日本の二式大艇の2トンからみると1機で大艇4.5機分だ。


そんなB-29が30機と言う事は大艇が135機分の爆弾量である。


これの対策はすぐには無理だろう。

今西海岸にある航空機では10000mの高さに上がるには相当前から発進し上がってもよろよろで空戦など出来るはずも無い、

高射砲にしても日本本土には新しい高射砲があるが数も少なく西海岸に搬送するのも時間がかかってしまう。

また明日も来るだろう、ロスも危ない。

今後、何機が空爆に来るかわからないが被害は今後も増えると予想される。


そんな報告が大本営の会議に届けられたのだ。


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