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龍砲艦隊〔…裕太がやらかした!〕  作者: どうない あつし
22/27

占領

67

日本軍はほぼすべての部隊の揚陸に成功した。


そして機甲師団をR師団とS師団に分けロサンゼルスとサンフランシスコに向け移動を開始した。


海軍は海沿いに艦隊を振り分け両師団の支援に徹し、艦載機は陸軍の上空を防衛していた。

龍砲艦隊は陸上から師団の後を重砲部隊として龍砲4隻と龍砲改1隻がそれぞれついて行き、師団の前に現れる敵に散開弾(空中で100個の小型爆弾に別れる)を打ち、航空機に対しては三式弾を放ちほとんど陸軍に仕事をさせていない状況であった。



ここで別命を受けた龍砲201と202を見てみるとメキシコ沖を南下していた。

目標はパナマ運河の破壊である。


パナマ運河は大西洋と太平洋をつなぐ重要な運河である。

アメリカは東海岸側に軍事工場が集中しており新鋭艦も大西洋で就航するためパナマを通り太平洋に進出していた。

これを破壊する事はしばらくは太平洋側に大型艦艇は来る事が出来ず、アメリカは西海岸の奪還に苦労する事になる。


龍砲201、202は深夜02:00時に行動を起こした。

沖合いから一気にスピードを上げ太平洋側のミラフローレス閘門の30kmの位置に到達すると停止し、砲撃を始めた。


10分のうちに5発づつ発射し両艦で10発の巨弾を見事に閘門に命中させた。


アメリカパナマ駐留軍は慌てて航空隊を発進させたが現地に着いた時はすでに龍砲は消え去っていた。



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話しを西海岸侵攻に戻そう。


アメリカ軍は全土から航空機を集め、さらに陸軍に西海岸への移動を開始させた。


しかし、西海岸は天然の城壁が立ちはだかっているのだ。

ロッキー山脈である。


この南北に連なる山脈は南はメキシコ北部から北はアラスカまでの4500kmに及ぶ大山脈である。

標高も3000mから4000m級の山々が連立し西海岸をアメリカ本土から隔てているのだ。


これによりアメリカ陸軍部隊は西海岸に大群を送るのは難しかった。

頼りは航空隊と空軍のみである。



アメリカ陸軍の戦闘機は世界的に見ても優秀で、有名なところではP-38ライトニング、

双胴の珍しい機体をしており最高速も600kmを超える速度を誇っている。

P-47サンダーボルトも凄い性能を持っていた。機体が大きい割りに速度も速く戦闘機としても爆撃機としても優秀であった。

さらに大戦中で一番優秀とされたP-51ムスタングは700kmを超えるスピードを誇っていた。


しかし、ここでアメリカは戦略上の失敗を冒していたのだ。

焦りもあったのか航空機が集まった編隊から戦場に送り込み、次から次へと数を減らしていってしまったのだ。

あと残されたのは空軍の爆撃隊であるが日本軍はすでに都市部に近づいており味方陸軍への誤爆を考えると投入出来ずにいた。


本当であれば爆撃隊B-17やB-25などと護衛戦闘機で大編隊を組んで攻撃していれば日本軍はかなり苦労させられたはずであった。


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結局、海軍の支援と龍砲のお陰で上陸軍はあまり苦労せずにまずロサンゼルスが日本軍に占領されてしまった。


続いてサンフランシスコも同様に占領した。


両市民は半分近くが避難していたがかなりの数の市民は残っていた。

これは日本軍がまったく都市部の攻撃をしなかった事もあるが、もともと避難訓練もせず日本軍に対する知識もあまり無かった事も原因している。


山本長官は人的被害をあまり出さないと言う理由もあったのだが日本軍の周りにアメリカ人がいると攻撃も受けずらいと言う戦略的な狙いもあった。


市民も最初は恐れていたが日本軍が何もしないと解ると、もともと陽気なアメリカ人気質なのか興味本位なのか日本軍の基地の周りで日本兵に気さくに声をかけ商売する者も現れたのだ。


日本軍も略奪はせず資材や食料なども料金を支払っていたので、それを聞いた人達もどんどん商品を持って来たおかげで苦労せず物資が手に入っていった。


実は支払った資金はハワイと占領した基地の金庫にあった物を使ったのだ。


こうして手をこまねいているアメリカ政府を尻目に着実に基地を整備していったのだ。


艦隊もそのまま停泊し、補給と修理を行い次の作戦のために待機していた。


しかし龍砲艦隊だけは大忙しで北方から来る敵陸上部隊に対し砲撃を加え、山脈の麓では山を越えて来た航空機に対しても砲撃し、修復しそうなパナマ運河に対してもまた攻撃しにいっていたのだ。


順調に前線基地の構築が進む中、ここで連合艦隊司令長官である山本は頭を悩ましていた。


太平洋全域をほぼ手中にし、支配地域が大幅に拡張したため手薄な地域が出て来ているのだ。

今のところ米英は苦境に陥っているが何が起きるか解らない。

さらにいやな情報が入って来たのだ。


原子爆弾の開発情報だ。


今後、山本は大きく戦略を方向転換する事になる。


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