上陸
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空中戦はと言うとすれ違い様に双方4分の1に被害をだしたが二式大艇は被弾したものもいるが全機無事である。
大艇の武装は強力であり防御力もかなりのものである。
残ったアメリカ機は日本主力艦隊に向かい日本機は本土攻撃に向かった。
先に日本艦隊側を見て見よう。
アメリカ機は護衛機と戦いまた3分の1を失いさらに戦艦やその他の砲撃により数を減らしたが、それでも残り150機前後はいるようだ。うち攻撃機は70機である。
日本艦隊は一斉に回避行動に移っていたが
戦艦2隻が被弾し炎上したがすぐに消し止められ、1隻に雷撃を受けて戦線離脱した。
その他、巡洋艦が3隻が大破、1隻が沈没。
駆逐艦は5隻沈没、3隻が戦線離脱した。
空母は全艦無傷だった。
アメリカ攻撃隊はこれらの戦果あげ撤退していったのだ。
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日本航空隊は両都市の航空基地と港湾施設の攻撃を主とし、都市部には絶対攻撃しないよう厳命を下していた。
ロサンゼルスには大艇30機と艦爆30機で爆撃し始めた。
基地航空隊の戦闘機に阻まれたが護衛戦闘機と大艇自身の防御力により1機だけ撃墜されたが他は無事爆撃出来たのだ。
滑走路は穴ぼこになり周辺施設もかなり被害を受けた。
港湾には駆逐艦や小艦艇が残っていたが撃ってくる艦はなかったため標的から外し、施設を優先に爆撃していった。
ただしハワイと同じく石油基地は標的から外された。
サンフランシスコにも大艇20機と艦爆20機が向ったがこちらはアメリカ航空隊の意地もあったのか日本機にも被害が大きく、航空基地を破壊するにとどまった。
そのため港湾にはあまり攻撃が出来なかったのだ。
大艇も5機が撃ち落とされてしまった。
こうして第一次攻撃は終わった。
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日本主力部隊はロサンゼルス沖に接近し、さらに第二次空爆をし戦艦部隊からの砲撃も始まった。
これにはアメリカ陸軍も制空権を失った現在なすすべがなく、ひたすら砲撃が収まるのを待った。
龍砲艦隊は第一艦隊がこの砲撃に参加し、第二艦隊は戦艦2隻と巡洋艦その他とサンフランシスコに向かった。
第二龍砲艦隊はサンフランシスコ沖に到着すると龍砲201と202に別命を発し、2隻は高速で南下して行った。
そしてロスと同じくサンフランシスコにも空爆と砲撃が始まったのだ。
その頃、ロスとサンフランシスコの中間の沖合いには駆逐艦に守られた上陸部隊が待機していた。
山本長官の号令を待っていたのだ。
両都市とも砲撃が終わった頃、
山本長官より発令された。
『上陸作戦開始せよ!』
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一斉に海岸に向け内火艇が疾走し始めた。
それを支援するのは龍砲101、102、103、104の4隻である。
さらに戦艦と巡洋艦が砲撃位置に待機した。
アメリカ陸軍は慌てて上陸地点に機甲師団を送った。
しかし、最初の内火艇は上陸を開始し戦艦・巡洋艦と龍砲がそこに近づくアメリカ軍に対し砲撃を開始した。
龍砲だけは砲撃しながら少しづつ陸に近づいて行き上陸の支援をしていた。
戦車部隊も揚陸が開始され徐々に陣営が構築されて行ったのだ。その時には龍砲も上陸し大型地上砲台のように近づくアメリカ軍に砲撃を繰り返していた。
こうして、上陸作戦の第一歩は達成されたのだ。
アメリカ政府は大慌てである。
『なんということだ。アメリカ建国史上始めて本土に攻撃を受けさらに上陸まで許してしまったとは!』
大統領も怒り心頭である。
『すぐさま、西海岸に軍備を集中しろ。
ヨーロッパは後回しだ!』
『イギリスはどう致しましょうか?』
『そんなところでは無いであろう、チャーチルは何もせず軍備を寄越せとしか言って来ないし、送っては撃沈される始末だ。
それよりも一刻も早く日本軍を叩き出せ。』
こうして大統領は各軍に指示を出し西海岸方面に戦力を集中していった。
ヨーロッパは風前の灯火になってしまった。