RS作戦開始
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ロサンゼルス沖500km海上
山本長官は
『あと30分で攻撃部隊発艦だ。
いよいよだな、ハワイから大艇がすでに空爆のため飛び立っている。
我が護衛戦闘機隊と合流しロサンゼルスとサンフランシスコに先制攻撃をかける。
その前にアメリカ艦隊を龍砲艦隊2隊により殲滅予定だ。
みんな、この一戦が日本の将来を大きく変える。
心して掛かってくれ!』
大艇が上空に差し掛かると戦闘機隊が護衛に着き、空母攻撃隊と合流し二手に分かれ戦域に向かっていった。
その前方100kmの位置に龍砲艦隊がいた。
赤間大佐は第一龍砲艦隊の母龍に乗っている。
『竹内中将、我が龍砲艦隊は無敵です。
しかし敵さんも何か手を打って来るでしようね』
『うむ、向こうもやられっ放しと言う訳にもいかんだろうからな。
用心に越した事は無いだろう。』
『そうですね、何をして来ても龍砲なら大丈夫ですし、まぁなるようになりますでしょう。』
と余裕しゃくしゃくである。
実際アメリカ側を見てみると
ロサンゼルス沖合いに艦隊を集結し待ち構えている。
空軍も両都市の航空基地に戦闘機、攻撃機、爆撃機など1000機を配備したのだ。
さらに対龍砲兵器B-25Gも70機が待機中である。
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アメリカ軍は日本艦隊発見の報告を受けると、まず空母部隊より攻撃機200機が発進し、陸上基地からも400機が発進した。
竹内中将は大艇部隊と空母攻撃部隊が合流したころ、護衛機を上げ龍砲8隻と龍砲改2隻を敵艦隊に向かわせた。
第二龍砲艦隊の鈴木中将もそれに合わせた。
日本攻撃隊先陣が
『敵航空機多数発見、12時の方向。戦闘機隊は突入せよ。』
零戦、紫電改100機が向かって行った。
ものの5分で敵、味方入り乱れた空戦に突入した。
その下方、海面では龍砲16隻と龍砲改4隻が全速で敵艦隊に向かっているのだ。
アメリカ機より無電が飛んだ、
『龍砲20隻が艦隊に向け疾走中。』
無電を受けた陸上基地ではB-25Gが全機発進して行った。
龍砲艦隊隊長の白木少佐が命令を発した。
『敵さんがおいでなさったぞ、全艦対空戦闘準備。』
龍砲は三式焼霰弾を装填し龍砲改が前に出た。
『打方始め!』
巨砲が火を吹き始めた、16隻16発の砲弾が敵機に向かって行き花開いた。
横幅3km縦に1kmの間に三式弾が爆発したのだ。
ここに大半のB-25Gが突っ込んだ。
あっという間に3分の1を撃墜した。
『全艦散開し攻撃せよ。』
ここで龍砲改4隻が攻撃を始めた。
高射砲が次々連射し15機がまた海の藻屑として墜落して行った。
それでもB-25Gは75mm砲を撃つべくかかんに龍砲に近づいて来たのだ。
龍砲隊はスピードを生かしながら機銃を打ちまくっていたが、
5機が龍砲101に接近して来た。
『敵11時と1時の方向より接近!』
『打ちまくれ〜』
なんと4機を砲撃前に撃墜してしまった。
『お〜、新型の自動発射装置は凄いなぁ』
とまた光一は呑気な事を言っている。
そう新たに電波測距儀を改良し、自動発射をする装置がものを言い始めたのだ。
残った一機が75mm砲を撃ち始めた。
B-25Gの機首下部から火を吹いた。
『なんだあれは、飛行機にあんな砲を搭載してるのか。
こりゃ一発でも危ないぞ。』
と言いながらスライド操艦し一発目はギリギリ回避した。
あっという間にすれ違い敵機は旋回し、また砲撃しようと超低空で近づいて来た。
今度は龍砲の機銃が当たり水面に機首を突っ込んで消えていった。
しかし、3隻より被弾報告が入った。
龍砲108、203、207である。
即座に回りの艦が救助に向かい敵機を蹴散らした。
また被弾報告である。
今度は龍砲改1002が被害を受けた。
その後10分ほどで戦闘は終わった。
B-25は10機が帰還していった。
龍砲艦隊は203が主砲をやられ中破、
しかし108、207、1002は撃沈されてしまった。
光一は
『203は母龍に帰還、残りはこのまま敵艦に向け突進せよ!』
内心、光一はショックを受けていた。
戦死者をかなり出してしまった、
あれがまた100機も来たらどうすればいいのか?
部下の手前、顔にも出さず命令を出していたのだ。
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全速で敵艦隊に向かった龍砲は駆逐艦や戦闘機に邪魔されたが、
三式弾と龍砲改で戦闘機を蹴散らし、駆逐艦5隻を沈め4隻を炎上させた。
最初に7隻が艦隊内に踊り込み6隻が後に続いた。
『よ〜し、全弾撃ち尽くせ。』
また龍砲の撃滅戦が始まった。
アメリカ艦隊は逃げの一手である。
龍砲13隻は浮いている艦に向け次々に巨弾を撃ち込んでいったのだ。
しばらくするとアメリカ艦隊から応戦する船舶はいなくなってしまった。
周りは戦艦や空母が火を吹き、すでに沈み始めた艦もいる。
何隻かは港に逃げ込みはしたが13隻の龍砲は戦闘を中止し、沖合いに一度集結したあと母艦に戻っていった。