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龍砲艦隊〔…裕太がやらかした!〕  作者: どうない あつし
13/27

ハワイ沖海戦

46


とうとう主力部隊どうしの戦いになりそうだ。


双方の規模を比べてみよう。


日本

主力艦隊

空母3隻

戦艦4隻

重巡8隻

軽巡10隻

駆逐艦20隻


龍砲艦隊

空母1隻

駆逐艦6隻



アメリカ機動部隊

空母5隻

戦艦4隻

巡洋艦15隻

駆逐艦30隻



艦載機の数は一隻辺りの搭載数が多いアメリカが総数650機に対し日本側は340機で圧倒的に不利である。


さらに艦艇数でも負けている。


アメリカの生産力はやはり凄いと言えよう。



日本側はハワイ沖北100kmの位置で、

空母を中心に置きその前衛に戦艦を配置し周りを他の艦艇が囲む輪形陣をひき待機している。


アメリカは戦艦2隻を先頭に巡洋艦が後ろに並ぶ単縦陣で、駆逐艦に囲まれた空母群がその後ろについている。

全速で日本艦隊に向け航行中である。


龍砲艦隊は主力艦隊よりさらに東に離れたところをアメリカ艦隊を周り込む型で移動している。



まずは索敵争いだが双方予想位置が解っていた為、ほとんど同時に発見した。



アメリカ側は搭載機の約半数300機を発進させた。

これに対し日本側は護衛機50機を残し全機発進させたのである。


双方の攻撃隊は途中、遭遇戦をしアメリカ側が15機失い日本側は30機失った。

これはやはり新型F6Fと零戦の防御力の差が出たのかも知れない。


そしてどちらも敵艦隊に攻撃を開始した。


結果、どちらも巡洋艦2隻と駆逐艦数隻を失い戦艦はアメリカ側の一隻が火災を起こし大破している。

判定は日本に軍配が上がった。


しかしアメリカ側は第二次攻撃隊を発進させている。

日本側はピンチである。



ここで龍砲はと言うと母龍から発艦し8隻がアメリカ艦隊の東から無線封鎖をしゆっくりと進んでいたのだ。


アメリカの第一次攻撃隊の帰投を待っていた。


白木艦隊隊長は

『まだやで〜、見つからんようにゆっくり進めや。』


双眼鏡を覗きながら艦橋の外にいた。


『おっ見えて来たで〜、もう少しや!』


着艦が始まった。


『信号送れ!突撃や!無線封鎖解除。』


8隻は轟音を上げ一気に加速して行った。




47

アメリカ側の見張りが龍砲に気付いた。

『報告!2時の方向より敵小型艦艇数隻が接近中!距離およそ10km。』


巡洋艦4隻がこちらに回頭し向かってきた。


『打方始め!』

龍砲の巨砲が火を吹き始めた。


巡洋艦も応戦し始めたが龍砲は得意のスライド操艦によりかわしながら打っている。


巡洋艦の1隻に巨砲が炸裂した。

艦橋に当たり艦長達が戦死してしまった。

さらにもう一発が前部砲塔に当たり大火災を起こした。


もう1隻の巡洋艦にも一発当たった。

こちらは弾薬庫に飛び込み大爆発してしまったのだ。


距離も縮まり龍砲はスピードを生かし残り2隻の巡洋艦を挟み撃ちにし両艦に4発づつ食らわした。

2隻ともあっという間に沈み始めた。



それを見たハルゼー提督は

『あれが日本の新兵器か?

なんてスピードだ!

しかしあんな小さな艦艇が巡洋艦を一蹴するとは………』


ハルゼーでさえ唖然としていた。


その小さな艦艇達はバラバラに艦隊に突っ込んで来た。


皆一斉に応戦しながら回避行動に移った。



こうなると龍砲の独壇場である。

空母を狙い、撃ちまくった。


周りの駆逐艦達が邪魔をして来たが一発で沈黙していく。


1号艦と2号艦が最初に空母に近づいた。1発発射するごとに移動し、次弾用意でき次第目の前の敵艦に発射して行った。

もうすでに3隻の空母が火災を起こしている。


しかし、ここで龍砲6号艦に駆逐艦の12.7cm砲が後ろのプロペラ2基を吹き飛ばした。

あっという間に速度が落ち他の駆逐艦からも2発撃ち込まれた。

艦底と砲塔もやられてしまった。


『こちら6号艦!被弾せり。救援こう!』


横にいた4号艦がその駆逐艦を仕留めた。


白木隊長より

『全艦集結!6号を守れ!』


すぐに7号艦と8号艦も駆けつけて来た。


『こちら5号艦!こちらも被弾。航行可能により戦線離脱する。』

5号艦は巡洋艦の至近弾により前部右のプロペラがやられたのだ。


6号艦の周りに残りの龍砲達が集結し近くにいる敵船を攻撃しまくった。


龍砲は被弾に弱いため、白木隊長は攻撃より仲間の救援を優先するように普段から訓示していたのだ。


しかし、6号艦は航行不能なためこのままでは他の艦にも被害が出てしまう可能性がある。やむなく艦を放棄する事にした。


乗組員は他の艦に乗り移り即座に戦場を離れた。


『全艦戦場より離脱せよ!

7号艦は6号艦を砲撃し自沈させよ!』


白木隊長はやむなく6号を捨てる事にした。


初めての龍砲の損失である。

7隻は東の海域に離脱して行った。


しかし、戦果は凄いものである。

空母1隻撃沈 2隻大破 1隻中破

戦艦1隻大破

巡洋艦6隻撃沈 5隻大破

駆逐艦10隻撃沈5隻大破


艦隊の約3分の2に被害を与えた事になる。

残った艦艇は先の空爆の損害もいれると

空母2隻 1隻は火災中だが復旧予定

戦艦2隻

巡洋艦2隻

駆逐艦15隻

である。


ハルゼーは怒り狂っている。

『なんであんなチビどもにやられてんのか!

お前達アメリカ海軍の誇りもないのか!

訓練で何をしてたんだ!』


周りはかける言葉もなく沈黙している。

『もういい!

送り込んだ第二次攻撃隊に期待しよう。

ジャップのやろうども。見てろよ!』


横にいた艦隊参謀が恐る恐る、

『提督!損害艦の避退に護衛は付けたほうがよろしいでしょうか?』


『仕方がないだろう。駆逐艦を4隻付けてやれ!』


ハルゼーは艦隊にも停船を命じ第二次攻撃隊の帰投を待つとともに次にどうするか作戦を練り始めた。



48

その頃、日本主力部隊には敵機が近づいていた。


『敵、第二次攻撃隊接近!迎撃せよ!

準備出来た機より順次発艦せよ!』


アメリカ艦隊攻撃より戻って来たパイロット達は休む間も無くまた飛び立って行った。


また200機の大編隊である。

爆撃隊70機

雷撃隊50機

戦闘機80機


迎撃に上がれた零戦は70機ほどだ。


たちまち空中戦が始まった。

アメリカ爆撃隊(爆弾搭載)と雷撃隊(魚雷搭載)は戦闘機に任せ避退していった。


零戦も追っかけるがF6Fに邪魔され思うように行かず、背後につかれ撃ち落とされる機体が増えていった。


その中から抜け出した攻撃隊は20機ほど撃ち落とされたがまだ100機も残っている。2手に分かれ空母と戦艦を狙っていた。


すると戦艦群から主砲が放たれ、砲弾は途中で爆発し花火のように焼夷弾子を広げたのだ。

10発以上が花開きそこに攻撃隊の40機が巻き込まれた。


しかし、アメリカ機は丈夫である。20機が無事に突き抜けて来た。

残りは80機だ。


次は高角砲が火を吹きさらに20機をやっつけた。

爆弾投下に成功したのは20機である。


そのうち戦艦に向かった10機が、

まず大和の甲板に一発が当たった。

しかし、爆弾は跳ね返って海に落ちていった。

もう一発が後部にあたり爆発したがすぐに消し止められた。

その後5発は転蛇によりかわす事が出来たため、大和の被害は軽微ですんだ。


しかし戦艦長門に2発が当たり陸奥にも1発が当たってしまい火災を起こした。


そこに弾幕を切り抜けて来た雷撃機10機が大和と長門に向け魚雷を投下したのだ。

大和は転蛇によりかわせたが火災により低速だった長門は2発くらってしまった。


長門は火を噴きながら沈んでいった。



空母部隊には10機の爆撃隊が投下して来た。

空母瑞鶴の甲板に一発あたり大穴を開け火災を起こした。これは消し止められ、のちに現場で復旧が可能だった。


雷撃機は7機が魚雷を投下し、一発が翔鶴に命中し残りは外れて行った。


その他巡洋艦にも被害が出た。

2隻が撃沈され3隻が火を吹いている。


アメリカ攻撃隊30機と戦闘機65機が帰投についた。



日本側の被害は第一次攻撃隊と合わせて

空母 1隻が大破、1隻中破

戦艦 1隻が撃沈、1隻中破

巡洋艦 4隻撃沈、2隻大破、5隻中破

駆逐艦 7隻撃沈、5隻中破


かなりの被害が出てしまった。


しかしアメリカ側の被害は龍砲の活躍で日本より甚大である。


その後アメリカ艦隊が停止したため艦隊戦は起こらなかった。


こうしてハワイ沖海戦は終了したのである。







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