表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍砲艦隊〔…裕太がやらかした!〕  作者: どうない あつし
10/27

中国

31

その頃、赤間裕太は山本長官の指示で中国の香港に来ていた。

すでに香港は陸軍により占領されており日本兵がたくさんいたのだ。


裕太は陸軍中佐の長谷川と繁華街の食堂に来ていた。


『長谷川中佐!このカニ料理はうまいですね。』

『そうだろ、俺が最初に見つけたんだが噂が広がってこの有様だ。』


店は日本兵で満席である。


『赤間中佐は先ほどの会議で中国もロシアも簡単に落とせる。と言っておったが上層部の連中は海軍のくせに生意気だ!とか、陸上の事は何もわからん奴がほざくな!

と終わったあとで話してたぞ。』


『仕方がないですよ。

山本長官も言ってましたが陸軍の上層部は頭が固いがなんとか説得してくれ!と聞いてましたから。』


『笑、その通りだわ!

気持ちがあれば弾が避けて行く。

と思ってるのが多いからな。』


『自分が提案した中国戦線終結は可能なんです。

龍砲があれば出来ます。

そして最終的に中国戦線の早期終了が可能になればアメリカ西海岸の戦略が見えて来ます。』


『その龍砲はそんなに優秀なのかい?

話しは聞いてるが小さな船だそうじゃないか、1000台それがあっても中国は陸上だし広さが違う。

俺では想像がつかないし、上層部はもっとわからんだろ!』


『明日の会議では詳しく話せると思いますよ。

信じて下さい!龍砲ならやれます。

それも戦闘をしないで。』


『まぁそれが本当なら嬉しい限りだか。

さぁ、さっさと食って今度は一杯呑みに行くぞ!』


『わかりました。楽しいところを頼みますよ。』


二人は繁華街に消えて行った。



32

翌日、陸軍作戦会議において。

裕太は

『こちらの写真をご覧ください!

これが龍砲です。』


『なんだ舟かと思ったら戦車じゃないのかね?』


『はい!

そう思って頂いても結構です。

龍砲は水陸両用ですから。』


『こんなものが水に浮くのか?

下に何かつけるのかね?』


『いえ!このまま水の上も陸上も疾走します。

スピードも平地であれば時速100kmを超えます』


『なんだと!いい加減な事を言うな!

うちの中型戦車でさえ40kmが最高だぞ、重戦車では20kmほどしか出ない。

それが100kmだと!

ふざけるな!』


『まずお聞き下さい!

龍砲の性能をお話しします。

時速100km以上で水陸両用、砲門は大和級の46cm、最大射程は35kmです。

大きさは長さ30m横幅12m重さ500トンです。』


『なんと!そんなにでかいのか?

重戦車で30トンほどだぞ、

ドイツのタイガー戦車でさえ60トンと聞く、その8倍か。

想像できんな…』


『その重さで100km出ます。

その秘密は底にあるのです。

龍砲は空気を下に吹き付け浮上した状態で走行するのです。

ですから水上、地上にかかわらず疾走するのであります。』


『話しはこれくらいに致しましょう!

見られたほうが早いです。1時間後に港の海軍埠頭にお集まり下さい。』


裕太はそう話したあと会議場をさった。


1時間後

『さあ皆さん、お集まりですね。

海のほうをご覧ください!』


すると少しづつ音が大きくなって何かが見えて来た。

轟音を響かせ水しぶきを上げながら龍砲が近づいて来たのだ。

そのまま今度はコンクリートの船揚場からゆっくりと上陸して来たのである。


一同は慌てて後ろに後ずさりし、その迫力に驚いている。


そしてエンジンを停止し船体は地面に降りた。

さらに砲門がゆっくと上がり止まった。


やはり近くで見ると凄い迫力である。

海の上では他の艦艇と比べると小さいが、地上ではこんな大きな車両はないのだ。

あの巨大な砲門に睨まれたらどんな地上兵器でも木っ端微塵にされてしまうだろう。


『皆さん!これが龍砲であります!

いかがでしょうか?

陸軍さんにこれにかなう武器はお有りですか?』


呆気にとられている陸軍上層部の連中に裕太はわざと憎まれ口を叩いていた。


もう何も言うものはいなかった。


『では、作戦の続きをしましょう!』


しばらく龍砲の周りを見ていた一同は会議場に戻って行った。



33協定

一か月後、中国政府の高官が集まり会議をしてるさなか、兵士が駆け込んできた。


『大変であります。

こちらに巨大戦車が何台も向かって来ております。』


『なんだと!どこの戦車だ。』


『日の丸を掲げておりますので日本軍かと!』


高官達は慌ててベランダに出た。

すると轟音を響かせた龍砲が道幅ギリギリの道路をゆっくりとこちらに向かって来ていた。


1kmほど先の広場に出ると龍砲7台(うち2台は龍砲改)が横に並び、日本軍戦車15両も周りを囲んだ。

遠くから見ると戦車が一軒家で龍砲が体育館のような感じである。


そしてスピーカーを使い!

『こちらは日本海軍 第一龍砲艦隊所属、白木 光一少佐である。

そちらの政府に対し会談を申し入れたい!

受け入れない場合は…』


2号艦が砲門を少し上げいきなり発射した。

豪快な音とともに建物の横に炸裂し地面にクレーターを作ってしまった。


『という事である。この艦隊は海であろうと陸であろうと追い詰め、撃滅してしまうであろう。

会談場所は海上に停泊している戦艦大和で行うものとする。

日時は明日正午きっかり。

守って頂けなければこの龍砲500台が中国各地で暴れ回る事になるのでよろしくお願い致す。』


そう言い切って龍砲はまた轟音を響かせ引き上げて行った。


光一は堂々とハッタリをかましたのだ。龍砲を身近で見た者は見事に恐れおののき皆無言である。


実際まだ500台もないし龍砲自体、戦車砲でも穴が開くのだが、あの主砲の威力だけで圧倒されてしまったのだ。


翌日、戦艦大和とさらに大きい母龍が並んで停泊していた。

中国政府達はその大きさと迫力にも圧倒され協定はスムーズに締結された。


国境は現状の占領地域とし戦争行為の即時中断、今後の不可侵条約の締結である。


日本はソビエトとも日ソ中立条約を結んでおりこれで大陸側の心配は無くなった。


関東軍兵力75万のうち守備隊を残し60万の兵力をアメリカに向ける事が可能になったのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ