4 スキル
部屋はドラマとかでよく見る取調室に似ていて、部屋の真ん中、俺の目の前には椅子と机、そしてカツ丼を照らすのが良く似合いそうなテーブルランプ、そして本が一冊置いてあるだけだ。
「ここが例の個人面談室か。」
俺がそういった途端テーブルランプ(略 ランプ)がその全身を動かしながら話しかけてきた。
《そうじゃ。ここで話したことは他のものには聞こえんから安心するといい。》
「おわっ、ランプがしゃべった!」
まさかランプの姿で出てくるとは思わなかった。
「何でランプなんだ?」
《あまり普通すぎても面白くない。しかしあまり突飛な姿にしてしまうとおぬし等の精神に異常をきたすかも知れん、と思ってのう。椅子とどっちにしようか悩んだんじゃがやはり目の前だと反応が良いのう。ランプにしておいて正解じゃったわい!ホッホッホッ。》
「まあそこはもういいから早速質問の時間にしましょうよ。」
《うむ、そうじゃったな。忘れておったわ。じゃあ何か質問はあるかの?》
「ああ、いろいろあるがまずはスキルを決めたいんだが。」
俺は見た目は冷静に、しかし心の中では大はしゃぎしながら返答を待った。
どうせ神相手なのだからいくら見た目を繕っても意味無いのだが。
《くっくっ、それじゃあ早速おぬしの[スキル]を決めるとしようかの。まずはこの本を読んでみい。》
そういって神様が体全体を使って指したのは最初に部屋に入ってきたときに既に置いてあった本だった。
「何だこれ?〈スキルの種類と扱い方について〉?何だこれ?神様がいるなら直接教えてもらえばいいんじゃないの?」
《スキルを作ったのは前の勇者じゃと言ったろ?ソレは前の勇者が直接書いたものじゃ。後で来るものでスキルを与えられるものにはコレを見せてやって欲しいといっておったぞ。何やら細かいルールやスキルを使うための条件なんかも書いてあるのじゃよ。実に楽しそうに書いておったわ。わしが説明するより分かりやすいと思ってのう。》
なるほどな。図鑑みたいにいろいろなスキルの名前、効果、条件、代償なんかが書いてある。
《それに、最終的に向こうの世界に送るときにはわしが世界に負担を与えすぎないか確認をするのでそれまでは自由に選んでみるのもいいんじゃないかの?》
「新しいスキルは作れないのか?」
《作れないことは無いがまったく新しいスキルじゃとかなり目立つことになるかも知れんぞ。あとソレは勇者がかなりの期間を掛けて書いたものじゃから、その中にないものとなると使えないものになるんじゃないかの?なぜか時間を秒コンマ単位で正確に測れる能力なんてものもある位じゃからのう。まぁそれは料理人なんかに役に立っているそうじゃがの。》
「あれスキルって一人に一つじゃないのか?スキルには強力なものが多いって言って無かったか?」
《スキルには2種類あっての、先天性、後天性じゃ。先天性は生まれたときから、後天性はそのものがしてきた行動、思想、その者の強さ、運なんかで変わってくるんじゃ。強力なものが多いといったのはおぬし等にもって行って貰うスキルは多くの魔素を運ぶために通常より効果が上がっているからじゃ。》
「剣を使ってたら剣スキルが手に入るって事か。例えばさっきの時間を計るスキルが強力になったら?」
《コンマの下数十桁くらいまで正確に測れるようになるぞ。まあそれを確認できる程の感覚が手に入らんと意味が無いがの》
「つかえねぇー。だがまぁ言いたいことは分かった。じゃあ探してみるか。」
とりあえず本を読んでみる。こういうのはさっさと確認するだけにしておかないと全部読んでしまうからな。全部読んでしまうと欲しいのが大量に出てきてしまうからな。
スキルはそれぞれ系統別に分けられているようだ。
やはり定番の魔法系スキル、武器系スキル、生産系スキル、特殊系スキルといろいろあるな。
特殊スキルには心惹かれるものがあるが、俺の目標を達成するためには魔法系スキルか生産系スキルだな。
(因みに魔法系スキルには特化型と汎用型があり、特化型は一つの属性のみ、汎用型は何種類かの属性が使えるが特化型に比べて弱くなるようだ。武器系スキルは選んだ武器の扱いが達人級になるらしい。あとほかの武器に関してもなんとなくなら使い方が分かるようになるそうだ。もちろんこっちにも特化型と汎用型があった。特殊系スキルは見たら欲しくなるので見ない。魅了の魔眼とかあるかも知れないし。)
とりあえず欲しいものを決めた。いろいろ魅力的なものはあったがこのスキルを使えば何とか代用できるはずだ。
あとは、コレもあったら便利なんだけどなぁ。
出来ればどっちも手に入れたいが。そういえば、
「ねぇ神様?俺こっちに来るとき女神様の方から能力を一つ持っていけるって聞きましたけど、それってこのスキルと一緒に計算されてします感じですか?」
恐る恐る聞いてみる。
《ん?なんじゃあやつそんなことを言ったのか。いや、あくまでスキルは魔素を持っていくためにつけるついでなのであやつに貰う能力とは別計算じゃな。》
よしっ!あのとき聞いといて良かったぁ。これでもっていける能力は二つになったぞ。コレとアレをもっていけるじゃないか。
後は大事なアレについて聞いとくか。
「俺が行く世界って、いわゆる剣と魔法のファンタジーの世界ってことだよね?じゃあネコ耳とかイヌ耳とかウサ耳とかキツネ尻尾とかいるのかな?いるよね!?いるって言って!!」
いかんいかん、ついヒートアップしてしまったようだ。ハートはヒートにヘッドはクールにってよく言うじゃないか。落ち着け、俺。
だがしょうがない。ケモ耳は正義なのだから。
《そうじゃな剣だけでは無いが主な武器は剣と魔法じゃな。あといわゆる獣人というやつはいるぞ。大体人族の半分くらいじゃな。》
ぃよしっ!きたっ。これだけでもう今後の活動方針が建つってもんよ。
「じゃあ身体能力の向上とスキル一つ、女神様から貰う能力一つ以外には何かあるの?初期装備とか。」
《装備か…それくらいならいいじゃろう適当に向こうの装備を見て着けておくわぃ。》
後なんか聞くことあるかな?もういいかな一番大事なこと聞けたし。
それより早く行きたい。うずうずする。
「じゃあもういいや送ってください。お願いしますっ!」
《ここまで質問が少ないのも珍しいのう普通はもっといろいろ聞くもんなんじゃが…魔王がどうとか魔物がどうとか。》
「まぁ後は現地で学ぶとしますよ。あ、後一つだけ。」
《何じゃ?》
「さっき、今は世界を繋ぐことは出来ないって言ってたけど何年かして魔素が安定したら繋げられるの?」
《あ~、繋げなくは無いが特に繋ぐつもりは無いのぅ。繋ぐのは魔素の為で魔素が満ちているなら繋ぐ意味は無いからのぅ。》
「じゃあ勝手に繋いだら怒られる?」
《まぁ二つの世界が繋がってしまう位極端でなければいいかのぅ。一部分だけ、家の扉位の大きさならいいかの。》
「分かった。」
これで目標は定まったな。一つは二つの世界を行き来できるようにすること。もう一つはハーレムを作ることだ!
《もういいみたいなのでスキルは何を選ぶのか聞こうかの。》
「ああ!俺が選ぶスキルは…」