3 説明回
サブタイそのまま説明回です。
(いよいよ異世界だ。果たして俺が最初に異世界で見るのはどんな景色かな!)
俺は勢い良く目を開けた。そこにあった景色は、
(真っ白。何だコレあたり一面真っ白じゃん。…アレか?異世界に行く前になんか説明があったりするとかでその為の空間かな?)
《そうじゃ。》
(おおう、二度目だし神様なら心を読めるってことで驚いたりしないぞ。)
《もう少し待っておれ、あと少しで全員揃うでな。そこで説明と質問に答えよう。》
(ハイ反応ナッシングー。…全員?)
疑問に思う俺だったが少し待っていると突然、人を真っ黒に塗ったようなものが現れた。それも一つでは無く俺の隣から、開いた扇のようにぐるっと半円を描いている。俺も合わせて12、3ほどある。
(なんていうか、アレみたいだなあの非常口とかに書かれているピクトさん?みたいだな。)
気づけば俺も同じように真っ黒に染まっていた。というかピクトさん状になっていた。つまり細かいところは何も分からない状態ということだ。
(何だコレ?…あれか?これ全部異世界に行く人で、ほかのやつらに顔が見られないようにって事か?つまり顔が見られたら不利になることがあるってことか?)
ひょっとして[今から皆さんには殺し合いをしてもらいます]みたいな感じなのかと戦々恐々と待っていると、
《そろったな。これから説明を始めるとしようかの。まず最初に、全員の顔と声が分からないようにしておいた。理由は後で言うが過去同じ地球人同士で殺し合いがあったのでな。それをし難くするためじゃ》
(殺し合い?物騒だな。けどし難くするってことは神様にとってはして欲しくないってことか。とりあえず貝になって情報収集するとするか。)
俺がそんなことを考えていると、何処からか声が聞こえてきた。まぁここにいる誰かなんだろうけど。ちなみに声は人口音声みたいになっていた。
「ちょっと待ってくれ、まず最初にあんたが俺たちを異世界に呼んだ存在ってことでいいんだよな?何で俺は選ばれたんだ?ここにいる全員が異世界とやらに行くのか?」
《いや、わしはこの世界、おぬし達が住んでいた地球を含む世界の方の神じゃ。そしておぬし達を呼んだのはおぬし達が行く世界の神じゃ。選んだ理由は後で説明するので少し待て。ここにいる12人全員に異世界に行ってもらう。》
「じゃあ何であんたが説明するんだ?向こうの神様の役目じゃないのか?」
《それはな…》
そういって神様が話したのは俺達が異世界に行く理由だった。
俺達が行く世界には、こっちの世界には無い【魔素】と呼ばれるものを使って術と呼ばれるものを使う人たちがいるそうだ。
そのため日々魔素が消費されているらしい。その世界の神様が人間で言うところの呼吸をすることで酸素を細胞に送るように自分の世界にも魔素を送るんだそうだ(ちなみに地球には魔素はあるがそれを利用できないように封印みたいなことがしてあるそうだ。理由は魔素の無い世界の発展の歴史が見たかったかららしい)。
しかし、
《いや~あっちの神は少し前に生まれたばかりでのぅ、我々は生まれたときから人で言う大人みたいなものじゃから、生まれた時からいろいろと指導しておったんじゃよ。そしたら思ったよりも頑張りすぎてしまったようでなぁ。呼吸を忘れてしまうくらいにのめりこんでしまったんじゃ。その影響が今になって現れたようでの。》
「つまり今向こうではその【魔素】が少なくなっていると?それを何とかするために私たちの力が必要だと?」
《まぁそういうことじゃな。まだ少しずつではあるが世界から魔素が減って行っており全盛期の8~9割程度には落ち込んでおる。このまま放って置いても世界には影響無いがその世界はその神が始めて作った世界でな、何とかしてやりたいんじゃよ。おぬし等は必要じゃがおぬし等にしてもらうことは特に無いから安心せい。》
「必要だがしてもらうことは無い?つまり向こうに行ったら後は好きに生きていいと?」
《ああ。そういうことじゃ。最初に、過去同じ地球人同士で殺し合いがあったと言ったろう、あれとおぬし等を選んだ理由に繋がってくるんじゃがな?おぬし等に向こうに行くときにこちらから魔素を持っていってもらう。その際に魔素の影響を受けて何かしらの体の変化を受けるだろう。おぬし等を選んだ理由は多くの魔素を運べる人間といったところじゃ。ここまではいいかの?》
「何で魔素だけ送らないんだ?あと変化ってどの程度だ?」
《魔素だけだととても効率が悪いのじゃ。人に付けるからこの人数で済むが、そのまま送ろうとすると確実に二つの世界に影響が出てしまうんじゃ。今の状態だと水が高いところから落ちるように一気に向こうの世界に魔素が流れ込み、こっちの世界も向こうの世界も少しながら崩れてしまうのでな。出来ればそれは避けたい、といったところじゃ。変化というのは身体能力の向上じゃな。》
「ああ、分かった。」
《じゃあ説明を続けるとするかの。おぬしらには体の変化と別にスキルと呼ばれる特殊能力を持っていってもらう。さすがに体の強化だけでは多くの魔素を持っていけんのでな。このスキルだが、後で個人で決めてもらうがとても強力なものが多い。そのため自分だけが英雄になりたいといったものが周りの地球人を殺して回ったのじゃ。それが顔と声を隠している理由じゃ。もちろん後でバラバラに話をするときに望むものは顔を変えることも出来るぞ。まあ変えないというものが多いので一応隠しておるんじゃがな。》
「なるほど、だから顔と声が隠されてるわけだな。続けてくれ。」
「ちょっと待ってください。スキルをもらえるって事はその世界にはスキルが普通に存在する世界なんですか?ひょっとしてレベルなんかもあるんですか?」
《スキルは前に向こうに渡った者が開発したものじゃ。いろいろあるのでおぬし等のスキルもうまく目立たずに紛れ込めるじゃろう。レベルというものは存在しないが向こうで魔素を吸収すればわずかだが身体能力の向上などが見られる、といわれておるな。》
《後は個人で決めることだけかの。何か他に質問はあるかの?》
「向こうに着いたとき私たちはみんな違う場所に出ることになるの?」
《基本的にはそうなるの。まぁ全員がバラバラは少し難しいのである程度は近い場所に出る者達はいるがの。》
「出来れば近くに出る人を選びたいんだけど、出来ないかしら?」
《あとで望むもの同士で話し合って決めてもらうとしようかの。》
「お願いね。後は特に無いわね。」
《他に無いかの?…まぁ他のものに聞かれたくない質問なんかもあるじゃろう。それでは、》
《個人面談の時間じゃ》
そう言った次の瞬間俺はさっきとは違う空間に移動していた。