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-幼馴染みの本宮夏美。名前の通り、夏のように熱くそれでいて美しい奴だった。昔から一緒だったから、俺にはよく分らないがモテたらしく、高校に入り3人に告白されていたらしい。しかし、夏美はそれを全部ことわったらしい。その理由は俺には分からないが。そんな夏美と過ごして迎えた高校2年の夏休み明けに、夏美は姿を消した。-
そんなことを考えながら、制服姿のままの野上彰は公園のベンチに座っていた。
父のいない彰はいつものように朝早く仕事に向かった母の作っていった朝食を食べ、制服に着替えて隣に住む夏美の家に向かった。夏美の家は、両親が共に亡くなっており親戚から孤立していたため今は、夏美一人で住んでいる。そんな夏美を毎朝迎えに行くのが彰の日課になっていた。しかし、夏休み明けの今日いつもなら、呼び鈴を鳴らせばすぐ出てくるはずの夏美が出てこなかった。家の鍵はあいており、中に入り夏美がいないことを知った彰は、学校にも向かわず「教会」の西支部に夏美の「レイコード」を調べて探してもらうようにお願いしに行った。しかし、調査を終えやってきた役員の言葉は意外なものだった。
ー「残念ですが、本宮夏美さんのレイコードは消失しております。」
「それって、まさか・・・」
「はい、夏美さんはすでにお亡くなりになっているということです。」
「そんなバカな・・・!だって、昨日だって俺はあいつと電話で話したんですよ。」
「しかし、レイコードの反応が消えてしまっている以上、何とも・・・」ー
そう言われて、「教会」を後にした彰は公園のベンチに座っていた。
(何がどうなっているんだよ・・・どうして夏美が。)
「っくそー・・・」
そんな彰の前から不意に声が聞こえてきた。
「ねぇ、少しいいかしら?」
彰の目の前に立っていたのは、白衣を着た少し小さい女の子だった。
彰は、まだこの時は知らなかったこの出会いが彰にとって希望の光になることを。
っということで1話です。読んでくださった皆さんありがとうございます。「ダウトコード」の第一話です!日常と非日常の落差を作るために、彰と夏美の日常を長めに書いても良かったのですが、長くなりすぎそうなのでそこは、またの機会にw これから、夏美を失った彰がどう進むのか、そして彰の目の前に現れた少女の正体は!っということで、次回もよろしくお願いします!