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閉じ込められたエレベーターの中で

作者: CACAONOVEL12


あの出来事は、永遠に私の心に残るだろう。


あの出来事が無ければ、私は変わらなかっただろう。


あの出来事は、まさに運命だった。



私はとある会社のビルにいた。

エレベーターに乗っていた。


私はこのところ何もうまくいかない。

仕事も人間関係も恋愛も・・・。

全てが私の敵だった。

今日は取引先の会社に挨拶に行っていた。


ドアが閉まる瞬間。

ーがっー

ぬっとドアを開く手が現れた。

あの時どれほど驚いたか知れない。


「あの・・・下ですよね?」

話し掛けてきたのはこの会社の人間らしき人物だった。

警察みたいな服を着たなかなかのイケメンだった。


「はぁ・・・どうぞ・・・」

私はすみっこに移動した。

私はイケメンの胸のバッジを見て、名前を確認した。


「木村 清太」


似合ってる。

イケメン&私を乗せたエレベーターは閉まった。


どのくらい経ったのだろう。

エレベーターは開かない。

9階が以上に長い。

9階だけ広いんだ、絶対。


「あの・・・これ壊れてませんか?」

木村さんが話しかけてきた。

「・・・・・へ?」

「9階は・・・こんなに長くないです・・・」

木村さんは非常用ボタンを押した。

反応ナシ。


ということは・・・。


「誰かが来てくれますよ」

別に普通だった。

「いえ・・・今は6時なんですよ」

・・・・・・・・・・・・・え?

「多分もう皆帰っちゃったと思います・・・」

「でも、残業とか・・・?」

「いえ・・・改装工事があるので、残業はナシです」

は?

何で改装工事で残業ナシ?

「朝9時から始める予定です」


「「・・・・・・・・・・・・・」」


重たい沈黙が流れた。


閉じ込められた。


「け、警備員の人は?」

大きい会社だからいるはず。

「・・・僕が警備員です」

「!!!!!!!」

ありえない。


私は不運過ぎる。


「どうしますか?」

「・・・・携帯持ってますか?」

私は今携帯を家に忘れてしまってもってない。

「1階に忘れました」

「・・・・・・・・・」

最悪だ。


私と木村さんは落ち着くため座った。

「僕は木村です。

 貴方は?」

「白石です」

「それでは白石さん・・・。

 どうしますか?」

「どうしようもありません」

「・・・」

「気長に待ちましょう」



私は時間が経つにつれ、胸が苦しくなっていった。

酸素が薄くなってきたからだ。

木村さんも同じようだった。

時計ではまだ3時だった。

全然眠れない。


「白石さん」

「はい?」

「ここから出たら、一緒にアメリカに行きませんか?」

「?」

「僕の連れならこの状況に、叫んで酸素を減らすと思います。

 ですが、貴方は違う。

 冷静で、落ち着いていて・・・。

 僕は貴方に惹かれてしまった」

「それは・・・」

「2人だけで、遠くに行きませんか?」

「・・・そうですね。

 彼女さんが怒るのでは?」

「彼女はいません。

 最近別れました」

「そうですか・・・。

 少し休みましょう」

「そうでうね。

 僕も疲れました」


翌日、私と木村さんはエレベーターで倒れているところを救出された。

その後、約束通りアメリカに旅行に行った。

木村さんと。


エレベーターの出来事のおかげで、少し前に進んだ気がする。

あくまで気のせいだが。



その後、私は彼と結婚した。




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