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第一章:出会いと愛の始まり。

合コンで知り合った2人。釣り合わない2人だが、少しずつ友達になって行った

「なぁ、いいだろう?」

「少しなら…」

1人の不良が、少し体の小さな少年を脅していた。

「ラッキー!」

そう言うと、不良は少年から、二万円を取り上げた。


不良の名前は、鎌田英二かまだ えいじ

体は小さくて、少し細身の高校二年生。見るからに、最近の不良と分かるぐらいにぐれていた。

喫煙、飲酒、また女遊びも激しかった。毎日、学校に来てはサボリ放題。ケンカもし放題。

信じるものは、金と仲間達だけだった。夜の街を、毎日のようにさまよっては、家にも帰らなかった。

「英二〜、今日飲みに行かねぇ?」

授業中にマンガを呼んでた、英二に親友の慎太郎が話かけてきた。

「おっ!いいねぇ〜。行こう。女の子来る?」

いつものように、誘いに乗った。

「また始まった。女がいねぇと行かないのかよ。今日は、祐介の失恋パーティーだ。」

祐介というのは、英二達の連んでる仲間の1人だ。

「えっ!あいつ振られたのか?しょうがない奴だな」

こうして、今日の夜、失恋パーティー決定!

そして夜、慎太郎の家でメンバーは集まった。

英二に祐介、淳にケイと仲のいい仲間が集まり、飲んでいた。

「まっ!祐介、女は沢山いるぜ。今度、俺の友達を紹介してあげるからさ。元気出せよー」

そう言いながら、淳は祐介を励ました。

「しかし、こんないい男を振るなんてさ、女って見る目ないね」

英二は、酒を飲みながら言った。

「みんな、ありがとうな。俺のために集まってさ。俺…いい仲間を持ったよ」

そう言うと、祐介は泣いた。

メンバーは、泣く祐介を暖かく見ていた。

そして、その日は男同士で朝まで飲む事を約束した。

「彼女かぁ〜、欲しいなぁ」

ケイが、独り言のように言った。

「ところでさ、この中で彼女持ちって、英二しかいないよな」

慎太郎が、ふと英二を見た。

「あ〜、こいつは彼女とか興味ないって。女とかヤルだけの存在としか思ってないからな。」

そう、淳は英二を指差しながら言った。

「いいよなぁ〜!モテる奴は」

「当たり前だろ。俺、かっこいいからよ」

そう言いながら、威張る英二。

みんな、英二を羨ましがりながら、酒を沢山飲ました。

いつもと同じ。大切な仲間達と過ごしてる時間が何より、英二は好きだった。



ある日、英二はいつものように、仲間達と授業をサボってた。

急に、たまり場のドアが勢いよく開いた。

「ビッグニュース!ビッグニュース!」

そう、慌てながら入って来たのは、淳だった。

「うるせぇなぁ。今、麻雀してんだよ。静かにしろ。」

英二は、淳を睨んだ。

「じゃあ、いいんだ。英二は行かないんだね。」

少し、自慢気に淳は言った。

「何だよ?」

麻雀を止め、淳の話しを聞く事にした。

「実は、隣の高校と合コンの約束をして来ました〜!」

と、Vサインをする淳。

「隣の高校って、あの星藍高校か?女子校の女の子か?」

と、英二は興奮して聞いた。

「あ〜、中学の時のクラスの子だけどさ。出会いが欲しくて、俺に連絡して来たんだ」

「ハイハイ!俺行きたい!」

真っ先に英二は、手を挙げた。

「まあまあ、みんなで行こうよ。向こうは何人来るか知らないけどさ。」

そう言うと、みんな喜んだ。

次の休みの日、合コンの場所へ英二達は早めに来ていた。

「久しぶりに、女と遊べるぞ」

英二は浮かれていた。

「でも…英二いいのか?彼女は…」

祐介が聞いた。

「別れたから、平気」

当たり前のように英二は、さらっと言った。

「ちぇっ。いいよな。女と別れても普通な奴。」

英二は、女=sexとしか思ってなかった。

そんな話しをしてる内に、女の子達が来た。

今時の女の子という感じの子が4人。

英二は目を輝かせた。

ふと、一番右を見ると、一番おとなしそうで普通の子が座ってた。

(この子とは、うまく行かないな)

そう思いながら、合コンを始めた。

それぞれ、自己紹介をし、英二は一番話しやすい『弥生』という子と仲良くなった。

みんな、ペアになって楽しい時を過ごした。

ふと、英二は祐介を見ると、さっきの普通の子と楽しく喋ってた。最近、振られてから元気が無かった祐介だが、今日は楽しそうで、英二は嬉しかった。

そして、合コンもお開きにしようとした時、弥生が話しかけて来た。

「英二君、また飲もうね。これ、ケイ番」

と言って、ケータイを見せた。お互いに、番号を交換し、また会う約束をした。

合コンから二週間経った。

あの日から、英二達は弥生達と連絡を取り、たまに飲んだりしていた。

相変わらず、学校を抜け、たまり場に行こうとした時、隣の星藍高校から弥生の声がした。

「またサボリ?本当にバカになるよ」

と、英二達に手を振っていた。

「今日もたまり場来いよ。」

と英二は誘った。

「うん。明日香と2人で来るよ」

明日香というのは、一番右にいた普通の子だ。祐介と仲が良く、実は祐介の事が好きらしい。

そのことは、祐介以外みんな知っていた。

たまり場で、英二達はまた飲んでいた。明日香や弥生も来て、いつものように騒いでいた。

「ビールも無くなったし、俺パクって来るよ。」

当たり前のように、英二は席を立ち、ビールを盗みに行こうとした。

その時、後ろから服を掴まれた。振り向くと、明日香が掴んでた。

「何だよ。」

ワケも分からず、ひたすら服を掴む明日香。みんな驚いていた。

「…ダメだよ。盗んじゃ。お金なら出すから盗みはダメだよ」

いきなり、明日香が言った。

「はぁ?」

英二は、いつも盗んでいたから、改めて盗みを止められて戸惑った。

「この子、盗みとかケンカとか嫌いだからさ」

弥生が説明した。

「んな事言われてもね」

英二は困った。

「盗みはダメ。ちゃんと買うの。明日香も一緒に行くから。ね?」

そう言われ、渋々買いに行く事にした。もちろん、明日香も一緒に。

街のお店は、英二達が来ると、びびって酒やタバコを提供していた。だから、酒を買うなんて当たり前に出来る。

明日香がお金を出し、2人でたまり場へ戻ってる頃、明日香が口を開いた。

「さっきはゴメンね。つい、言っちゃった。」

「…別に…」

英二はタイプじゃない女には冷たかった。

しばらく、沈黙が続き、ふと明日香を見ると両手で袋を持っていた。

「持つよ」

英二は明日香の袋を持った。

「あるがとう。…鎌田くんって、聞いていた話より優しいんだね」

英二は、赤面した。

「バカやろう。俺は、顔もいいし、優しいんだよ」

と照れ隠しした。

また、黙って歩くと明日香が

「ねぇ、祐介君って、どんな感じ?」

と聞いてきた。

ふと足を止め、明日香を見て、ニヤニヤした。

「ふ〜ん。やっぱ好きなんだ。あいつは、いい奴だよ」

と、祐介を誉めた。

「そっかぁ」

明日香は、嬉しそうな顔をしながら英二を見た。

(ったく…後で祐介にタバコ買わそう)英二達は、たまり場に着き、また飲み始めた。

英二は祐介の隣にいた。また明日香を見ると、チラチラと祐介を見ていた。

英二はたまらず、

「明日香、席変わろうぜ。弥生を口説いてみせる」

と言って交代した。

「バカ英二。私を口説くなんて百年早いんだよ」

弥生は、本当の事を知らずに英二をからかった。

「おっ!言ったな。落ちたら一発やらせろよ」

弥生と英二は、いつもみたいに冗談を言い合いしていた。


その日から、少しずつ、祐介と明日香は仲良くなっていた。周りからは、付き合ってると間違われるほどに。


ある日、英二が家でテレビを久々に見ていると、ケータイが鳴った。

(誰だよ。)

そう思いつつ、出た。

「はい!英二だ。」

「ふふっ(笑)相変わらず、怖い声だね。」

誰かも分からず、英二は怒鳴りつけた。

「てめ〜誰だよ!」

「あっゴメンね。私、明日香だよ」

英二は、一瞬戸惑った。まさか、電話してくるなんて。

「何だよ。急に電話して」

「うん。弥生から番号聞いてさ。少し、相談があるんだ…」

「何だ?」

英二はめんどくさかったけど、何故か聞いてみた。

「うん。祐介君の事なんだけどさ…彼女とかいるかな?って…」

英二は、少し黙り

「あんたさぁ〜、人に聞いても意味ねぇよ。自分で聞けよ。」

「でも…そんな勇気ないし…」

「じゃあ、あきらめろ。自分に自信持たなきゃ、これから先、誰にも相手されないぜ。そんなに、好きならよ、自信持って告ってみろよ!」

厳しい言い方だけど英二らしい言葉だった。

「そう…だよね…自信持たなきゃね。

よし、何か勇気出た」

「はぁ?立ち直り早いな。」

英二は、(こいつ、素直だな)と思った。

「うん。英二君も、周りの人は怖いって言ってたけど、やっぱ優しいね。ありがとう」

英二は電話越しに、赤面した。

「バカやろう。俺は…」

「ハイハイ、かっこ良くて、優しい英二君でしょ?」

明日香は、英二の言葉を言った。

英二は、ふっと笑って、

「頑張れよ。ちなみに、彼女はいねぇよ」

そう言うと、電話を切った。


次の週、明日香の為に飲み会が開かれた。

今日、祐介に告るつもりだ。

祐介以外みんな知っているので、協力した。

英二は、興味なさそうに、ひたすら飲んでいた。

そして、明日香が祐介といなくなった。

「これで、明日香にも春が来たかな?本当にありがとうね。みんな」

弥生は、英二達に礼を言った。

そして、明日香達が戻ってきた。

どうやら、付き合ったらしい。明日香と弥生は抱き合って喜んだ。

また、祐介は、みんなに羨ましがられて、メチャクチャにされていた。

英二も祐介の頭を叩きながら、明日香を見ると、笑顔でピースをしていた。

英二も、少し恥ずかしがりながらも、ピースした。

こうして、また英二達に新しいものが出来た。

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