ひとつめの足音
ああ、今日も疲れた。
小田 智子、31歳。なんとか高校を卒業して働き始めて、13年か。やりたいことがあったわけじゃないけど、もう少しだけ楽に生きたかった。
「あの子は元気かな。」
なんだかんだ毎日考えてしまう。忘れるつもりだったのに。あの時の選択は正しかったのだろうか。わからない。
缶ビールの蓋を開いて考える。あの子は幸せだろうか。苦しい人生を歩んでいなければいいんだけれど。私には知る由もない。悲しいことだ。
猫でも飼おうかな。いや、そんな余裕はないし、第一自分に生き物を飼う資格はない。人間だろうと、猫だろうと同じ。そんなことないと言ってくれる人も大勢いるだろうし、自分でなければ迷わずいいよと言うだろう。でも、自分にはそうはいかない。。
今日はもう布団に入ろう。そんなことしたってどうせ眠れないけど。布団の中が一番考えが湧き出て止まらないまである。
私は最低だ。無責任で、考えがなくて、弱くて、、、自分の悪いところなんていくらでも思い浮かぶ。自分のことを責めたって無駄で、そんなことより将来を考えるべきなのかもしれない。
だけど、やっぱり私にそんな資格はないから。




