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*第46話 キヨランテの夜

コイント最古の祭りキヨランテ。

精霊教会に統一される前の古き土着信仰の名残である。


精霊と契約する術を知らぬ時代の人々はその力を敬い、そして恐れた。

生贄を捧げ精霊との対話を願ったと言う。


とうに忘れ去られた信仰であるが、

おごそかに執り行われる炎の祭典は脈々と受け継がれて来た。


今は生贄などの風習は無いが、魔法では無い物質の燃焼による炎に、

人々は命のことわりるのである。


***


「聖女殿、そして精霊王よ。教えては呉れぬか、

何故我らコイントには上級精霊が少ないのだ。」


さぁ~?私には判りませんわぁ~


「前と後ろを同時に見ると、どちらが前でどちらが後ろか

判らなくなりますわ。」


自分でも何を言っているのか分かりませんわね・・・


「なるほど・・・是非に及ばず・・・であるか。」


え?今ので分かりましたの?

「お分かり頂きまして幸いですわ。」


其方そなたの言う通りじゃ!過去は学ぶ為にあれば良い!

なげいてはならぬの!」


え?私はそんな事を言いましたの?

適当にお話しをしているだけですわよ?


「その通りで御座いますわ陛下。」


コイントの盟主、テオルコイント国王ドミクン陛下と

キヨランテのお祭りに来ておりますの。

挿絵(By みてみん)


普段はあまり見る事の無い、渦巻く炎と舞い散る火の粉が荘厳ですわ!


「我らはオバルトとの交流を促進させる事で一致を見た。

最早(いくさ)は過去のものにせねばならぬ。」


「寒い夜も手を繋げば暖かいですわ。」


殿下は目を離すとすぐに行方不明になるので、ずっと手を繋いでおりますの。

手汗でぬるぬるしますわ。


一瞬で居なくなりますのよ!迷子の天才ですわ!

お祭りと殿下の組み合わせは危険ですわ~


「あぁ全くその通りじゃ、

子供でも分かる事が歳を取ると何故解らぬのかの。」


歳と共に脳細胞が死滅して行くからですわ!


「大人と子供では目の高さが違いますもの。」

当たり前だのお煎餅せんべいですわ!


「はっはっは!さすが聖女殿じゃ!久しぶりに心地良い!」

「それは良う御座いましたわ。」


先ほどから殿下の頭がぐらぐらと揺れていますの。

目も虚ろですし、オネムですわね。

もうすぐ儀式も終わりますわ、いま暫くの御辛抱ですわよ。


「まだ寝てはなりませんわよ殿下。」

「んなっ!は、はい母上~ルサーシア!」

う~~~ん・・・アウト?セーフ?


「我らとオバルトの和平をダモンはどう思うかの?」


“和平は平和”漢字で書くと回文に成りますわね!

“わへいはへいわ”平仮名では駄目ですわ・・・


「あまり原則には拘らない方が宜しいかと。」


「うむ・・・多くを望み過ぎては全てを失うか・・・」

勝手に良い様に解釈して下さるから助かりますわ!


あら?なにやら随分と騒がしいですわね。

人垣を押し割る様にして数十人の若者が乱入して来ましたわ!

面倒事は困りますわ~

殿下がもう限界ですのに・・・


「我々はぁ~自由コイント永遠なる解放同盟青い山脈友の会であ~る!」


長い名前ですわねぇ~



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