*第45話 あぁ七色のバタフライ
生活魔法の中でも特に重要なのは水魔法と加熱魔法と照明魔法である。
この三種類があるだけでも人々の暮らしは劇的に向上する。
水魔法は『ヒネルトジャー』
加熱魔法は『燃え燃えキュン』
そして照明魔法には屋内用と屋外用で異なる呪文がある。
屋内用は『アカルイパショナル』
屋外用は『ススメカワグチ タンケンタイ』
である。
***
大歓迎ですわ!
競技場に所狭しと並んだ屋台に、コイントの名産品が並べられていますの。
「聖女様!御一ついかが?」
行く先々で試食を進められましたわ。
塩ゆでされたハニツマールは甘さと塩気のバランスが絶妙でしたわ。
ハニツマールと言うのは日本では“とうもろこし”ですわね。
「これ知ってるよ!イヂクリーナだよね!」
そんな卑猥な名前ではありませんわっ!
「ホジクリーナですわ殿下・・・」
「お気に召されましたかな?聖女殿!」
オウトワン国王のパンジャブ陛下ですわね。
「大変に美味しゅう御座いますわ陛下、濃厚なお味噌が絶品で御座いますわ。」
「わはははは!そうであろう!じゃがな、旬の味はこんなものでは無いぞ!」
そうでしょうとも!
「まぁ!そうで御座いますの?でも冬に参るのは無理ですわ。
真に残念でなりませんわ。」
手を合わせて上目遣いで陛下を見つめますの。
「な!ならば届けて進ぜようぞ!たたた楽しみにするが良い!」
イチコロですわぁ~
タリタールのムヒカ陛下が割り込んできましたわ。
「子羊も送るぞ!チンコスパーンにするが良いぞ!」
物騒な料理ですわねっ!
もう私には付いて居りませんわっ!
チン♪チン♪チンコスパァ~~~ン♪
ですわっ!
物産展の後は、懇談会が一席設けられましたの。
お腹が膨れてオネムになってしまわれた殿下が私の膝枕で
スヤスヤと寝てしまわれましたのよ。
可愛らしいこと。
翌日はカモミ族と言う少数民族の住む、ウーグス谷を訪問しましたの。
カモミ族の少女ケイコールちゃんとヨウコールちゃんの双子の姉妹が、
歓迎の花束を呉れましたのよ!
素朴な民族料理でおもてなしを受けた後、
村の音楽堂で伝統の舞踊を拝見致しましたの。
七色の蝶々を模した衣装に身を包んだケイコールちゃんとヨウコールちゃんが
華麗に踊りますの。
「一緒に踊るべさ!」と誘われましたので、ルルナと共に舞台へ上がりましたの。
見よう見まねでは御座いましたが、スポットライトに照らされて、
そろりそろりと舞を披露致しましたの。
大サービスですわよっ!
じっくり御覧あそばせ!
かぶりつきで見ている村の若衆の、食い入る瞳がいじらしいですわ。
今夜のオカズはバッチリですわねっ!




