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大聖女エルサーシアの遺言~とんでもヒロインの異世界漫遊記  作者: おじむ
第一部第一章 聖女が世界にやって来た!
14/130

*第12話 薔薇は気高く咲き美しく散る

教団は四始祖達が自ら組織し、当時からかなりの規模であった。


富と権力を手中にした彼らは互いに反目し、

やがて凄惨せいさんな派閥抗争となり果て教団は分裂した。

王侯貴族を巻き込んでの大戦となり、世界は暴力に覆われた。


争いは果てしなく続くかに思われたが、四人の内二人が手を組み、

他の二人を討伐した事で収束した。

再び統一された教団は精霊教会と名を改め、二人は初代の教皇と大司卿に就任した。


その死後、教会を受け継いだ高弟達は、徹底して事実を隠し歴史を書き換えた。

数千年の時の流れに削られて人々の記憶から真実は消えた。

教会の最奥を除いて。


と、幹部達には口伝として受け継がれているが、真実は少し違っている。

まずムーランティス大陸の事が抜け落ちている。

完全に忘れ去られているのだ。

聖地モスクピルナスは空想上のものとなっている。


また、教団の分裂は事実なのだが、それは権力争いでは無い。

平たく言うと色恋沙汰のもつれだ。

四始祖のうちの一人が暴走した結果、

抗争に発展し追われた二人が大陸を脱出し、

新たな地で興したのが今の教会の始まりだ。


そして、とある事情によりムーランティスは封印された。


***


「な!なんとぉ!更なる真実が有るので御座いますか精霊王様!」


精霊王で通すおつもりですのね・・・

実は斯々然々とルルナが説明しましたの。


「『オタサーの姫』を奪い合っただけの事です。」

まぁ!よくある話ですわぁ~。


「なるほど、精霊の秘宝を巡る争いだったのだね。」

違いますわお父様・・・


「いえ、彼らの内の一人が『オタサーの姫』なのです。」


え?姫と三銃士をセットで転生させたの?

異世界に?

鬼畜ですわぁ~


「つまり四始祖様の中でも特別な存在だったと言う事かね。」

「その通りです。」


「ウォトゥ~サァ~ヌヒュ~メン・・・特別な存在・・・

今、精霊の奥義が示された!」


床にひざまずき感涙にむせび泣いている大司教様・・・

夢を壊さない方が宜しいわね。

挿絵(By みてみん)


「それと大戦など起きていません、精々が村単位での抗争ですね。」

それはまた随分と豪勢に盛りましたわね。


「『オタサーの姫』は年下の剣士と駆け落ちしました。」

いっその事、清々しいですわ。


「残された二人は互いを慰め合う内に愛し合う様になりましたが

飲酒と薬物依存で廃人になりました。」


真実の愛に目覚めて溺れたのね・・・

哀れですわ・・・


「ウォトゥ~サァ~ヌヒュ~メンである始祖様は女性だったのかい?」

そう言う事ですわお父様。


「いえ『男の娘』です。」

違いましたわっ!お父様!


「オトゥ~クゥ~ヌコゥとは?」

「超越者ですね。」


BL祭りでしたわ~~~



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