表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大聖女エルサーシアの遺言~とんでもヒロインの異世界漫遊記  作者: おじむ
第三章 思えば遠くへ来たもんだ
126/130

*第124話 命の波紋

その少年は何時も笑っていた。

呼吸不全の発作で苦しんだ後もにっこりと笑った。


生まれてから一度も歩いた事は無い。

食事も一人では出来ない。

堅くなった筋肉をほぐすマッサージは、子供にとっては痛くて辛い筈だ。


それでも少年は笑っていた。


本当は辛いだろうにと、大人達は陰で泣いた。

本人が笑っているのに目の前で悲しそうな顔をする訳にはいかない。


先天性筋ジストロフィー。


牧野ひかり 15歳

短過ぎるその人生の殆どを笑顔で生きた少年は、

最後にこう言った。


「行ってきます。」


***


「もう!信じられませんわ!」


置いてきぼりを食らいましたわ!

この怒りをどうしてくれましょう!


「お母様!どうして教えて下さら無かったのですか?

私も行きとう御座いましたわ!」

つい、お母様に八つ当たりしてしまいました。


「あら、そうでしたの?では今度は私と一緒に参りましょうね。」


雲間から差し込む日差しの様な、暖かいお母様の微笑み。

走り寄って飛び込んで抱っこですわ!

挿絵(By みてみん)


「アーミアは甘えん坊さんね。」

えぇ、その通りですわ!

「お母様、お願いが有りますの。」


「あら、何かしら?」

「今度、私と一緒に精霊歌を作って下さいまし。」


お姉様ばかりズルいですわ。


「まぁ!でも案外に難しいのよ?

貴方は早くに死んでしまったから、ネタ不足では無くて?」


遠慮無しにハッキリ言いますわね・・・

さすが真正サイコパスですわ!


「駄目ですの?」

必殺うるうる攻撃ですわ!


「駄目などと言う訳が無いわ!

えぇ、分かりましたわ、一緒に作りましょうね。」


イチコロですわぁ~


「良かったわね!」

魔子も嬉しそうですわ!


魔子は前世でもずっと一緒にいましたの。

発作で苦しい時も、辛いマッサージも、

何時も魔子が励まして呉れましたのよ。


(僕なんか生まれた意味は有るの?)と聞きましたら。

『当然よ。』と答えて呉れましたの。


(なんで?何にも出来ないよ?)

『命はそこに在るだけで良いのよ。』


(働く事も出来ないし、役に立たなくても?)


『命は水面に広がる波紋と同じなの。

様々な命の波紋が干渉し合い織りなす模様が世界を脈動させるのよ。』


(こんな僕でも?)


『勿論よ、生まれたばかりの赤ん坊もベロゲイツも、

私から見れば誤差でしかないわ。

存在している事に意味があるの。

どんな人材かはどうでも良いのよ。』


(それはそれで空しい様な・・・)


『今は解らなくても良いわ、肉体を持つ者の理解の限界だから。

死んだら私の言った意味が理解できるわ。』


(転生するって話?)

『えぇ、そうよ。』


(たしか先輩が居るって言ってたよね。)

『えぇ、二人居るわよ。』


(どんな人?)

『え~っと、パンツの好きな人よ。』


(???)


確かに異常なくらいに好きですわねぇ。

お母様は・・・


パンツがっ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ