表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/130

*第114話 現大公閣下の激憤

オバルト歴1543年、後陽2週。

バルドー帝国とムーランティス大陸の覇者、

ニャートン帝国との間に友好条約が締結ていけつされた。


ニャートン帝国の若き皇帝ゴリレオは、

バルドー帝国をジンムーラ大陸の主権者として認め大陸の統一を号令した。


***


「受け入れる事など出来ぬ。」


ニャートン帝国の布告文をめぐっての王宮会議の席上で、

現ターラム大公ルイスールは言い切った。


先方の言い分を要約すると、

<バルドー帝国を代表として連合を結び、ニャートン帝国に恭順せよ>


つまりは、主権を放棄しろと言う事だ。

元老院と教会は、これを宣戦布告と見做みなしても良いと判断した。


これまでに入手した情報に依るとニャートン帝国では、

人を“万物の霊長れいちょう”と呼び、

精霊は人に仕えるしもべであると考えているらしい。


「なんと傲慢ごうまんな者達であるか!祝福をもたらす者に対する感謝を知らぬとは。」

ルイスールは初めて触れる価値観に嫌悪けんおした。


また“テクナロゼ”と言う精霊術を使わない技術の開発にいそしみ、

精霊と契約をしていない奴隷階級の者が、様々な作業をこなしているらしい。


「確か、バルドーでも似たような技があったのぉ。」

「“カガク”とか申しておったわぃ。」

「精霊をないがしろにするなど信じられん。」

「戦うしかあるまい。」


元老院筆頭ナーバル選帝侯も戦は避けられないと見ている。

彼もまたルイスール同様に代替わりした若い当主だ。


「同盟国と連携せねばならぬな。」

「ジンムーラ大連合じゃ!」


元老院の意見は一致を見た。


「陛下のお考えを御下知おんげじ頂きとう御座います。」

ナーバル選帝侯が裁定さいていを仰ぐ。


「良きに計らうべし。」

元より王に否やは無い、国家存亡の危機である。


直ちに、ハイラム王国、コイント連合国。

そしてデカシーランド共和国に使者を送る事が決定した。

歴史上で初めての世界大戦が勃発ぼっぱつしようとしている。


「聖女殿に御参戦頂く訳には参らぬか?」


ナーバル選帝侯が教会側に打診する。

付き添いの枢機卿が教皇に耳打ちする。


「聖女様にぃ~!御参戦頂きたいそうです~!」

「んんんふぇいぞさふぁふぁ~

んんんはにほほひほ~

ひふぁはふぁふ~んんん」

挿絵(By みてみん)


「何んと?」

「聖女様は何者にも従わぬ。と。」

「そこを押してお願い致したい!」


「なんとかぁ~!お願いします~!」

「んんんんんんんんんん

ほほへほいへほ~

んんんんんんんん

はふぇふぇひ~

んんん

あふぁふぇふ~

んんんんんんんんんん」


「何んと?」

「放って置いても勝手に暴れる。と。」


(良くあれで判るものだなぁ~)と

その場の全員が感心した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ