表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
8/69

試験開始前

 自宅から軍学校までの距離は、二十キロあまり。

 このくらいの距離だと、貴族の子女は馬車を使うのが普通らしいが、試験当日、僕は徒歩で軍学校に行った。正確にいえば、走った。


 自宅から一時間あまりで到着。おおよそ時速二十キロで走ったことになる。

 一時間で二十キロの距離を走ることが出来れば、転生前の世界では一流の陸上長距離走者に近いレベルだろう。でも、現在の世界では特別なことではない。まあ、十二歳の男子としては超一流かも。


 試験会場を見渡すと、いろいろな人がいる。

 親が貴族の受験者は、親や従者が同伴している場合が多い。

 貴族と平民の割合は五分五分。どちらも、男子が八割、女子が二割という感じだ。


 ちょっと見た限りでは、知り合いはいない。ほっとした。

 実は、僕は人付き合いが苦手だ。特に初対面の若い女性に対しては、顔が赤くなって、緊張で何を話したらいいか分からなくなる。

 スウと初対面のときに無難に会話できたのは、奇跡的な例外だ。


 ようやく近頃になって、初対面でも定型的な会話はできるようになったけれど、顔が赤くなるのは相変わらずだ。


 前世での僕は、武術の稽古を口実に人との付き合いを避け、剣が唯一の友だった。

 今度の人生では、スウのかたきを探すためにも、人との付き合いを避けているわけにはいかない。


「ちょっと、そこの君、あたしの下僕になりなさい!」

と、どこかの美少女に呼び止められることもなく、僕は試験会場で自分の席についた。午前中は学科試験だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ