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高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
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進路の選択

 中村さんと別れた後、僕は寮の自室でジャンヌと雑談していた。

 ふと、『進路希望』のことを思い出した。



 カルナーの軍学校では、一年生の二学期までは学年共通の必修科目だけだが、四月から始まる三学期からは、専攻する学科によって履修科目が異なる。


 一年生は一月末までに希望する学科を決め、『進路希望』の紙を提出することになっている。



 軍学校の学科は、文科・理科・武科の三種類。

 大雑把にいえば、文科は参謀や事務官志望者向け、理科は魔法使い・軍医・技師志望者向け、武科は軍の士官志望者向けだ。


 なお、軍学校は五年制だが、学校に通うのは三年生までだ。

 文科と理科の四年生と五年生は、軍学校在籍のまま、王都の大学で学ぶ。

 武科の場合、基本的に三年で卒業し、軍に任官する。



「ジャンヌ、学科、どこにする?」


「まだ決めてない。あなたは?」


「俺もだ。武科にするか、理科にするか、迷ってる」


「わたしは、文科か武科のどちらか」



 ちなみに、僕の兄カイルは武科を卒業し、近衛兵団の士官になったのだけど、現在、軍に籍を置いたままアルダランの大学に留学している。


 スウの復讐に早く取り組むためにはカイルのようにするのも悪くない。


 ただ、魔法や錬金術の授業は、理科でなければ履修できない。

 スウとゴリ博士。僕の魔法の師匠は二人とも優秀すぎたせいか、僕は意外に初歩的なことで知らないことがあり、基本を体系的に学びたい気持ちも強い。



 そこにユイがやってきた。


「ユイ、学科、どこにする?」


「武科。アレクは?」


「武科にするか、理科にするか、迷ってる」


「アレクなら、飛び級ねらえるんじゃないか?」



 飛び級。考えたことはなかったけど、卒業までの期間を短縮できるのは魅力だ。


「飛び級か。基準を知りたいな」


「兄貴、どうぞ」


 ジェシカがA4サイズの紙を数枚、差し出してきた。相変わらず、準備のいいことで。


 ジェシカに礼を言って受け取り、読んでみた結果、飛び級以外にも卒業までの期間を短縮する手段がいくつかあることが分かった。


 今の僕にも実践できそうなのは、卒業資格試験を受けて卒業資格を得る方法と、卒業に必要な履修単位を早めに取ることの二つ。

 卒業資格試験による方法が最も簡単そうだけど、この試験を受けるためには軍学校の理事や校長など、学内有力者三名以上の推薦が必要となっている。


 ジャンヌの父、パフューム公爵の力を借りれば、この条件をクリアするのは難しくない。

 さて、どうしたものか。

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