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高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
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個人戦闘訓練用ソフト、ナカムラ

 武術大会に向けての特訓を始める前に、僕は持参した機器について皆に説明した。


 僕が持参したのは、携帯ゲーム機の試作機。

 試作機には、僕が自作した個人戦闘訓練用ソフトも入れてある。

 まだ問題点は残っているが、仮想現実対応で実戦的な訓練内容の優れものだ。


 さっそく、ソフトを起動させる。

 プレイヤーの周囲が戦場に変わり、最初の対戦相手が出現する。


「中村さんじゃん」ケインが言った。


「正解。モデルは中村さんだ」


 中村さんは、前世の世界での僕の祖父の弟子で、身長は二メートル近くあり、地球の人間としてはかなり強い。

 年末年始にジャンヌ派の主力メンバーが日本に行ったとき、ケインは中村さんに武術の稽古をつけてもらっていた。



「じゃあ、久しぶりに中村さん相手に戦ってみるとしよう」


 ケインは素手で相手に立ち向かう。


「ケガすることはないけど、痛みは感じるからな」


「了解」


 ケインは礼をするため、頭を下げた。が、その瞬間、相手の蹴りをくらった。

 相手に実体があればノックアウトされているところだ。


「ケイン、油断するな」


「アレク、これ、本物より強いんじゃないのか?」


 中村さんは紳士だからな。挨拶をしてる相手を蹴ったりしない。

 でも、ソフトを作ったのは僕だ。当然、隙があれば攻める!



 五分ちょうどで対戦終了。ケインは仮想中村さんを倒すことはできなかった。

 ちなみに、仮想中村さんを倒せば、次に前世の僕をモデルにした相手が登場することになっている。


 戦闘の後、戦闘の様子を再生することができ、プレイヤーの悪かったところを指摘する機能も実装してある。

 試してみた結果、再生は問題なくできたけれど、指摘の内容は的外れなものだった。まだまだ検証が足りない。


 結局、その場にいた者のうち、僕とアスカ以外は仮想中村さんを倒せなかった。

 設定が少し厳しすぎたかもしれない。



「ところで、そのゲーム、なんて名前?」と、ジャンヌ。


「ナカムラ」


「そのまんまね」



 訓練の後、寮に戻ってみると、意外な人物が僕を待っていた。

 本物の中村さんだった。

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