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高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
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学生寮への帰還

 アスカの家で夕食をご馳走してもらった。


 アスカの父親は、大昔の『風の一族』の族長リフカに従っていたドラゴンだ。

 『七つの剣』の行方について何か知っているかもしれないので、話を聞きたかったのだけど、あいにく、出かけていた。


アスカの母親もドラゴンだけれど、事情を知っているかどうかは分からない。

今回、アスカの母親には『七つの剣』について聞かなかった。



 ちなみに、前世での僕の祖父がゲイル公爵と同一人物であることや、僕が『光の剣』を託されたことは、祖父から口止めされている。

 ジャンヌ達には、前世での祖父がゲイルの一族と関りがあったと話してある。


 祖父から『七つの剣』を集めるように勧められたことも、当分は秘密だ。



 結局、祖父のゲイル公爵は、日本での活動について、何も事情を教えてくれなかった。

 多分、僕がまだ経験の浅い子供だからだろう。



 それにしても、『風のラファエルの再来』とは、スウも僕を買いかぶってくれていたものだ。


 風のラファエルは、カルナーの三姉妹の伝説に出てくる英雄で、風の一族の始祖とされている。

 伝説では、ラファエルは三姉妹を助けて魔王と戦い、後に三姉妹の長姉アルダと結婚している。



 夕食の後、アスカの力で軍学校の寮に戻ってきた。


 大晦日からの四連休にいろんなことがありすぎて、まだ気持ちが整理できていない。


 明日からは軍学校の授業が始まる。

 今は、学生としての本分である勉学に励もう。


 僕は、七つの剣について考えるのをやめた。

 でも、完全に忘れるわけではない。潜在意識に『七つの剣』のことを刻み付け、脳の余力を使って無意識に考えるようにした。そのうちに何か思いつくかもしれない。



「あ~、明日から学校か」


 唐突にジャンヌが言った。


「予習しておくか」と、僕。



 とりあえず、ジャンヌ達と一緒に明日の予習を行う。

 ケインも一緒だ。十二月の試験の結果、ケインは一月から僕と同じ1組になった。

 当然、校内武術大会ではケインに僕と同じチームで出てもらうつもりだ。


「ケイン、大将を任せていいか?」


「了解」


 相変わらず、無駄口をきかない男だ。

 (こぶし)で語るタイプのこの男は、僕が背中を任せるに足る存在になるかもしれない。

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