表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
43/69

光の剣

 祖父の指導を受けた後、祖父と二人で夕食を食べた。外食だ。

 三が日の間、前世の僕と妹は両親と一緒に家族旅行に出かけている。

 もしかしたら、会うことが出来るかもしれない。


 アスカの家に戻ってみると、皆でゲームしていた。

 前世の僕の家と同じ様に、ゲーム機が何台もある。

 アスカの父親は、日本で何をしてるんだろう。


「アスカ、おまえのお父さんって、何してるんだ?」


「ゲーム機つくる会社で働いてるよ」


 ああ、そうですか。竜も仕事するんだね。


 その後、ジャンヌから道場で何をしてるか訊かれた。

 祖父から口止めされたわけではないが、一族以外のものに変化(へんげ)の術のことを気軽に打ち明けるべきではないだろう。


「家伝の武術の奥義を教えてもらったよ。さすがに一日では習得できなかった」


「そうなの。じゃあ、明日も行くのね」


「そのつもりだ」


 ケインは同行を希望した。風間流の体術に興味があるとのことだ。

 他の三人も同行を申し出た。けれど、僕としては、ジャンヌ達に日本での休日を楽しんでほしかった。


「ゼピュロス商会で扱えるようなものがないか、日本の街を見てきてほしい」


 そう言うと、ジャンヌ達は了解した。



 一月二日と三日の両日、僕は午前から道場に行った。

 ケインも同行し、道場で中村さん達から基本的な体の動かし方を教えてもらった。


 僕は、道場の奥にある小部屋で祖父から変化(へんげ)の術を教わった。


 変化の術で特に大事なところは、心の使い方だ。

 心と体を分離し、心だけの存在と化すことによって、どのような体にでもなれる。


 でも、口で言うのは簡単だが実践は難しい。


 結局、僕は日本にいる間に変化(へんげ)を習得することは出来なかった。

 あと一歩で出来そうな感触はあるのだけど。



 一月三日の夕方。僕は祖父の道場を辞去しようとしている。

 結局、前世での僕や妹には会えなかった。残念だが、そのうちに会う機会はあるだろう。


 祖父が懐から何かを取り出した。


「これをおまえにやろう」


 見ると、風の剣に似た短剣だ。


「魔剣ですね」


「うむ。これは『光の剣』という。大昔、風の一族の族長リフカ様が()が先祖シゲンとの最後の別れの際、シゲンにくださったものだ」


「もしや、『七つの剣』の一つ?」


「その通り。おまえは既に『風の剣』を持っているはずだ」


 僕はうなずいた。


「実は、『炎の指輪』というものを持っているのですが」


「ああ。あれも『七つの剣』の一つだ。『七つの剣』という呼び名だが、普段の形が剣とは限らん」


「こんな貴重なものを僕に。本当にいいのですか?」


「リリー殿下はお前のことを(いにしえ)の英雄『風のラファエル』の再来と信じ、『風の剣』をおまえに遺した。わしも殿下を信じ、おまえにこの剣を託す。七つの剣を集めてみよ」


 七つの剣は、伝説のアイテムだ。

 大昔、『カルナーの三姉妹』が七つの剣を集め、世界を救ったとされている。


「殿下やお祖父さんの期待に()えるよう、最善を尽くします」


 僕のやるべき事は少し見えてきたけれど、使命の大きさを思うと足がすくむ思いだ。

 でも、立ち止まってはいられない。未来のために力をつけなくては!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ