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高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
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祖父との戦い

 僕は道場の中央で祖父と向かい合った。

 祖父は日本人としては大柄で、身長が百八十センチある。

 体重は知らないが、どちらかといえば痩せ型だ。


 前世で僕は一度も祖父に勝ったことはない。

 僕に対し、祖父は風間流の基本的な技だけを使ってくるのだけど、僕は力負けしてしまって、祖父の攻めをしのぎ切ることが出来なかった。


 前世で十四歳だった頃より、今の方が肉体的には強いはずだけど、体力で勝てる自信はない。



「始めようか」


「おねがいします」


 僕たちは互いに礼をした。


 中村さんとのときと同様、僕は離れて戦う方針だ。

 僕が祖父より勝るのはスピードのみ。動き回り、少しずつ祖父の体力を削ることが出来れば、勝機がくるかもしれない。


 意外にも、祖父は攻めてこなかった。


 素人目には祖父が追い込まれているように見える状況かもしれないが、追い込まれているのは僕の方だ。僕は素早く動き回り、遠距離からパンチを出しているが、僕の攻めは全て受け流され、祖父にダメージはない。


 動きの激しい僕の方が体力の消費が激しく、このまま時間無制限で戦い続けたら僕の方が先に体力切れになるだろう。


 そこで、僕は戦法を変えた。

 ここまで僕は一般的な格闘技術だけを使ってきたけれど、幼い頃にスウから習った体術を使いはじめた。


 スウから習った体術は、アルダランに古くから伝わる格闘術『風の闘法』だ。

 呼吸法と体内のエネルギー循環に関する独特の技法があり、動きの激しさの割に体力消費が少ない特長がある。


 風間流が剛の武術なのに対し、風の闘法は柔の武術といえる。


 戦い方を変えたのを見て、祖父がニヤリと笑った。

 そして、祖父が猛攻を始めた。前世の僕ではしのぎ切れなかった攻めだ。


 初手は李下正冠。

 本来は、髪に隠した暗器を投げる技だ。

 現在の風間流では試合で暗器を使わないので、次の技に入る前の挨拶のようなものだ。もちろん、命がけの戦いならば暗器の使用もありえるだろう。


 今回、祖父は暗器の代わりに気功弾を使った。祖父は弟子相手で気功弾をつかうことはない。つまり、かなり本気ということだ。

 威力を落とした一発のはずだけど、当たれば確実にダメージを受ける。

 あえて、身体で受け止め、エネルギーを吸収しておく。


 次に、落花流水。

 これは、空中での前転から手刀と脚で攻撃する大技。

 初見で防ぐのは難しいが、知っていれば対応は簡単だ。横に跳んでかわした。


 その後も祖父が繰り出す風間流の技を全て受けきると、祖父がいきなり攻撃をやめ、大笑した。


 僕も攻撃をやめた。もちろん、お互い、構えは解いていない。


「見事だ、風の闘法。おまえさんに教えたのはリリー殿下であろう?」


 僕はうなずいた。ここでスウの本名が出るとは思ってもいなかった。驚きで声が出ない。


「おまえが来るのを待っておったよ、アレク・ゲイル」


「僕のことを知っているのですか?」


「うむ。奥で二人だけで話そう。渡すものもある」


 僕と祖父は道場の中央で礼をした。

 それから、二人で応接室に向かった。

2019年2月24日、スウの本名を誤ってリリスとしていたのを訂正しました。

また、気功弾を使った部分で記述追加しました。

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