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高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
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前世と今の人生

 電池が切れた。ああ、残念。


 今は休日の午前。

 アスカに日本での自宅からゲーム機を持ってきてもらい、僕は転生してから初めて携帯ゲーム機で遊んだ。


 この世界にゲーム機やPCが存在しないこともあってか、ジャンヌとジェシカもゲーム機を使いたがり、結局、僕はゲーム機を占有できず、不完全燃焼な気分が残った。


 魔法で電池に充電しようかと思ったけど、魔法を直接かけるのでは電圧等の制御が難しく、電池を壊してしまう恐れがある。

 魔法駆動の充電器を作る方が無難だろう。


 充電器を作ろうかどうか考えているうち、ふと、アスカが持ってきたゲーム機の機種のことが気になった。

 懐かしさとゲームが出来る嬉しさのあまり、気にしていなかったのだけど、この機種は、前世で僕が最後に使っていたのと同じだ!


 母体で胎児として過ごした期間も含めると、転生後の世界で僕が過ごした期間は十四年近い。

 十四年の間、新機種が出ないはずはない。


 変に思って、アスカに日本の日付を聞いてみた。年も含めて。


 アスカが答えた日付は、僕が死ぬよりも一年ほど前。

 現在、日本では中学一年生の僕が生きているはずだ。


 アスカによれば、日本とカルナーの時間の速さは同じ。

 日本で一時間が過ぎると、カルナーでも一時間が過ぎる。


 一言でいうと、僕は過去に転生していたということだ。



 過去に転生したことを知った後、最初に考えたことは、前世での僕の死を防ぐことだ。


 僕は大切な人を失った悲しみを知っている。

 僕が死んで、家族は嘆き悲しんだことと思う。


 今の僕の実力ならば僕を守るのは簡単なことだ。


 でも、僕の運命を変えてしまうと、転生した僕はどうなるのだろう。

 消滅?


 転生後の自分も問題なく生き続けることになるのかもしれないけれど、危ない橋は渡りたくない。



 次に考えたのは、僕が死んだ後、僕の体を治療し、僕の魂をその体に移すこと。

 当然、アレクの体は魂を失い、アレクの人生は実質的に十三年あまりで終わる。

 現在の僕の家族やジャンヌたちは悲しむだろう。また、僕もこの人たちと別れたくない。



 最善なのは、両方を生かすことだ。

 でも、魂を分割することは可能なのだろうか。少なくとも、今の僕にはできない。



 すぐに有効な解決策は思いつきそうにないけれど、何もしないよりは何らかの努力をするほうがましだ。


 前世の僕と転生後の僕。両方を生かす手段を見つけて見せる!

2019年2月18日、休日であることの記述を追加しました。

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