ジャンヌの視点から
今日も放課後はアレク達と一緒に付け耳の仕事をした。
先週と今週は目が回るほど忙しくて、心も体もくたくた。
ジェシカがため息をつくと、アレクがジェシカの肩をマッサージし始めた。
アレクはマッサージが上手だ。私もしてもらおう。
アスカと私にもマッサージしてくれた後、アレクは黙って何か考えている様子で、ときどき、いたずらっぽい笑顔になる。
アレクの笑い顔は、可愛くて可愛くて抱きしめたくなる。
「やっぱ、ハーレムかな」
突然、アレクがつぶやいた。
恋人の私の目の前で、いったい、何を言い出すのだろう。
当然、私は怒る。
すると、アレクは土下座して謝ってきた。
「ハーレムなんて駄目だからね。私以外は、ジェシカとアスカまで。他の女の人に手をだしたら許さないわよ」
私は許すつもりで、アレクにハーレムのことを諦めるよう、念押しした。
ところが、アレクは抵抗した。
信じられないようなくだらない理由を言い出す。私が信じると本気で思っているのかしら。お馬鹿さん。
「仕方ないわね」
私は許してしまった。惚れた弱みかしら。
アレクは優しい。けれど、自分勝手だ。こんな人を好きになってしまうなんて、アレクと知り合う前の私では考えられない。
私はアレクを抱きしめた。
ハーレムでもなんでも作ればいい。でも、私があなたの一番なの。誰にも負けないわ。




