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高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
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ハーレム百人の野望を語る

「アレク、何て言ったの?」


 ジャンヌは明らかに怒っている。父のパフューム公爵を思わせる迫力だ。


「やっぱ、ハーレムかな」と、小さな声で。


「いい度胸ね」


「ごめんなさい。俺、調子こいてました!」


 俺はジャンヌの前で土下座した。


「ハーレムなんて駄目だからね。私以外は、ジェシカとアスカまで。他の女の人に手をだしたら許さないわよ」


 俺は土下座を続けている。

 だが、しかし、ハーレムは男のロマンだ。ここで譲るわけにはいかない。


「ジャンヌ、君は男というものを分かっていない」


「どういうことなの?」


 僕は顔を上げ、真剣そうな顔でジャンヌを見つめる。


「男は社会に出たら、たくさんの敵に会う」


「それはそうね」


「だから、やすらぎが必要なんだ」


「ハーレムを作っていい理由にはならないわね」


「一年生になったら、友達百人できるかな」


「なにそれ?」


「ゲイル家の家訓だ。男だったら百人規模のハーレムを目指すべきだと教えられてきた」


「あなたのお父様がハーレム作ってるなんて噂、聞いたことないけど」


「父は世界各国に愛人がいるぞ」


 父に愛人がいるというのは嘘だ。僕の知る限りでは、父は僕の母一筋で、貴族にしては珍しく、側室さえいない。

 すまん、父さん。内心でつぶやく。


「そんな人だったのね。人は見かけによらないものね」


 小さな嘘はばれやすいが、大きな嘘は意外に信用されるものだ。


「ジャンヌ、君が一番だ。でも、家訓に逆らいたくはない」


「仕方ないわね」


 ちょろいぜ、ジャンヌ。


 次の瞬間、ジャンヌが僕を抱きしめた。

 豊満な胸が僕の顔に押し付けられ、息ができない。


 やっぱり、まだ怒っているな。

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