表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
26/69

ジェシカの視点から

 ジェシカ・パダム。女。十二歳。それが私だ。


 パダム家はパフューム公爵家の分家筋で、父の代までは貴族だった。

 父が起こした不祥事により、父は投獄され、母は自殺。パダム家は取り潰しとなり、幼かった私はパフューム公爵に使用人として引き取られた。


 私は、パフューム公爵の一人娘のジャンヌ付きになった。

 ジャンヌは私と同じ年齢で、いい子だ。

 使用人の私に意地悪することもなく、仲良くしてくれる。



 ジャンヌが軍学校を受験するとき、私も一緒に試験を受け、二人とも合格した。

 多分、これからも私はジャンヌと行動をともにすることになるのだろう。

 ジャンヌが結婚しても一緒だ。ジャンヌの夫となる人が望めば、私は側室になっても構わない。貴族にとって重要なことの一つは子孫を残すことだ。妻が多いほど、子供を残せる可能性は大きくなる。



 軍学校の入学試験を受けた日、ジャンヌは同じ受験生のアレク・ゲイルと知り合い、すぐに恋仲になった。そして、父親のパフューム公爵に頼んで、アレクと同じ部屋になるようにさせた。


 ジャンヌはアレクに夢中だ。

 アレクは、剣の腕は立つし、頭も悪くない。変わり者のようだが、ジャンヌを大切にしている。


 アレクがコスプレ用品というものを作ろうと言い出し、ジャンヌも協力することになった。当然、使用人として私も協力する。アレクの使用人のアスカも合わせ、四人で、「付け耳大作戦」と名付けられたプロジェクトを遂行していくことになる。


 今日の夕食は、アレクのお祖父さんの誘いで外食した。


 食事の途中、アレクから思念リンクされ、アレクの考えていることが私に分かる状態になった。ジャンヌとアスカにもアレクの考えていることが伝わっている。アレクの方は気が付いていない。無意識に思念リンクしたのだろう。


 アレクの思考の流れは面白かった。


 アレクは馬鹿ではない。


 でも、お馬鹿さんだ。

 かわいいし、放っておけない。


 ジャンヌがアレクに恋する気持ちが分かった気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ