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高所恐怖症なのに竜騎士になりました  作者: 矢島 零士
第二章:軍学校編
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ジャンヌとの将来

 パフューム公爵に初めて会ったとき、僕は将来について聞かれ、軍に入って国に貢献し、一人前になったらジャンヌと結婚したいという意味のことを言った。


 でも、それは本音ではない。


 スウの命を奪った黒幕は、おそらくはアルダランの王族だ。

 黒幕の正体を突き止め、復讐するためには、アルダランに行かなくてはならない。


 カルナーで軍人になった場合、配属先は国内になる可能性が高く、復讐は実現できそうにない。

 僕は、スウの墓前で復讐を誓った日のことを今でも覚えている。

 軍人になることは考えられない。


 では、軍人にならないとしたら、将来設計をどのようにするのが良いか。

 アルダランで活動してもおかしくない職業に就くことが最優先事項。

 その上で、調査活動にある程度の時間を割けること、生活していくのに必要なお金を稼げること、この二つは最小限、必要だ。


 また、敵がアルダランで大きな権力を持っている場合、僕自身がそれなりにアルダランで大きな存在となっていることが望ましい。


 ジャンヌと結婚すれば、ジャンヌの父であるパフューム公爵が僕の後ろ盾となる。

 でも、パフューム公爵はカルナー国内では大物だが、一部のアルダラン貴族と親交はあるものの、アルダランでの影響力は小さい。


 まあ、もしもパフューム公爵がアルダランでも大物だったとしても、僕は復讐にジャンヌをまきこみたくないので、公爵の影響力を利用する気はないけど。


 今のところ、僕が考えているのは起業だ。

 起業して画期的な新商品を開発・販売し、自分の会社を国際的な大企業に育てることで、経済的に世界を征服。この展開が理想だ。

 でも、世界的な企業を創業することが難しいのは分かっている。


 より現実的な方向は、冒険者となることだ。冒険者ならば、ある程度は時間に融通がきくし、成功すれば大金持ちだ。

 僕が冒険者として成功する自信はある。ただ、一般的に冒険者の社会的地位は低く、公爵令嬢のジャンヌとは釣り合わない。



 スウのことをジャンヌに話してからは、僕はジャンヌに秘密をつくらないようにしている。


「僕が冒険者になったら、どうする?」


「一緒に冒険者になるわ。父が許してくれない場合、駆け落ちする」


 ジャンヌは笑った。


 僕はパフューム公爵には一度会っただけだが、人柄は好きだ。

 親ばかの公爵は、娘が冒険者になったら嘆くことだろう。

 できれば、公爵を悲しませたくないものだ。

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