8/14
8話
「婆ちゃん。」
「おや、ルミナスじゃないかい。……爺さんは逝ったのかい?」
「……うん」
婆さんはベランダから庭を眺めたまま「そうかい……」と呟いた。
「ルミナスや。あたしゃもう少しルミナスの成長を見守っていたいよ。」
「うん」
「けどね、それをするのはいけない事。爺さんに怒られちまう。」
「うん」
「だから頼むよルミナス。あたしも爺さんの所へ送っておくれ。」
いつの間にかこっちを向いた婆さんが握手を求めるように手を差し出してくる。
「分かった。あっちでも爺ちゃんと仲良くね。」
「そりゃ約束出来ないね。もっといい男捕まえてやるつもりさ。」
カカカと笑う婆ちゃんに釣られて笑ってしまう。
そして婆さんの手を握って魔力を操作する。
「他の幽霊達の事も頼むよ。元気でねルミナス。」
そう言って婆さんも行ってしまった。