2話
「うぅ…」
なんだろう…体が思うように動かない。それに声も変な気がする。
本当に植物人間状態になったのか? それにしては多少声は出るし、なによりここは病院っぽくないな。
「あーー うーーー」
ははっ。ひでえもんだ。まるで赤ん坊のような声しか出せないじゃないか。
『おやおや、さっき眠ったと思ったらもう起きちゃったのかい? 仕方のない子だねえ。』
「あぅー?」誰だ?
『こりゃ驚いた!あたしの声が聞こえるのかい? 爺さん! 爺さんや! ちょっとこっちに来ておくれ!』
『なんじゃい婆さん。また何かしでかしたか?』
『今度は違うよ! もしかしたらこの子はあたし達の声が聞こえてるかもしれないんだよ!』
『ほー。そりゃ凄いのう。』
『信じとらんじゃろ! まだ確信したわけじゃないが…ちょっと見てておくれ。』
なんだなんだ?やけに騒がしい婆さんだな…。
というかどこに居るんだよ。上手く寝返りが出来なくて分からんぞ。
『ごほん。 聞こえるかい? 聞こえるなら返事をしておくれ。』
「あーぅ」聞こえるぞー。
『やっぱり聞こえてるよこの子!』
『たまたまじゃないかのう?』
この舌っ足らず状態でどうやって証明しろってんだよ……
あーとうーしか言えなくても答えられるクイズでも出してくれりゃすぐだとは思うんだが質問してくれない限りは不可能だぞ
「あーう! あーう! んうー!」それよりどこに居るんだよ。さっきからずっと壁側向いてる状態だから寝返りうちたいんだけど!
『ありゃ。婆さんや、なんかぐずってるようじゃぞ?』
「あうー!」ぐずってるってなんだ! マジに赤ん坊扱いすんなよ!
『うーむまいったねえ。あたしらじゃ何も出来ん。 エルダかディーンを起こすかい?』
「うーぅ! う…?」そうだよ医者!医者呼んでくれ!……って今夜中か?
まいったな。ジジババが居るとはいえ夜中に先生叩き起こす程の事じゃないし。
まだちょっと眠いしさっさと寝ようか。また起きられるとも限らないから怖いけど。
「スー…スー…」
『おや。眠っちまったようだね。』
『やっぱり聞こえてなかったんじゃないかのう? これだけそばで喋っていたのに眠れるんじゃから。』
『そうかもしれないね。どっちにしても静かに寝かせてあげようじゃないか。』
すみません続き書いてたら長くなりそうなったので短いですがここで一度区切らせて貰います