5/5
壊
「やっぱり逃げられた…か、こんな不意打ちじゃ意味無い…か」そう言った男は右手の汚れをズボンで拭いそのままポケットにあるスマートフォンを取り出した。
二回のコール音の後、角掛と表示されたスマートフォンから少しハスキーめな女性の声が聞こえた。
『もしもし、明義斗か。奪えたのか?あんな大掛かりなことをしたんだ、疲労もあるだろ。』左手で頭を撫でるように搔き
「頭と仲間を使わなきゃなぁ…」と呟き歩き始めた。
『何て言ったんだ?早めに帰ってこいよ。バレないとは思うが…』そこまで聞き、分かったと一言残し電話を切った。
それよりあのガキどもだ…2人とも持ってるのか?玲雅も何か言ってたしな…少しずつ近づいてきたな…そのためにもまず
あの2人を始末…しなきゃなぁ