蛇
まだまだ拙く、誤字脱字も多いかと思います。暖かい目で見守ってください。
自分の持ち味とも思っている速い展開、注目していただけたら幸いです
2人とも沙音とは反対の方向に自転車を進めた。
少し漕ぎ、夢叶の住むマンションの近くの公園を通った時、
「あいつや!あの金のヤツと白いのヤツ!」
と声がした。ふたりが振り返ると先ほど倒した人たちの仲間の様な人たちが五人こちらを睨みつけている。みんなしてバットなど、典型的な鈍器を持っている。
「なんや、でかい方はまだ楽しめそうやけど…白いのはなんやあんなんにやられたんか?」一人が言った。
二人は呆然とチンピラたちを見ている。その距離は走ればすぐに届く距離だ。
「ちげーぞ、あいつらは能力持ちだ。でかいのは知らんが白いのはかなりめんどくさいぞ。」
「そーか、だが、お前には勝てない。…なぁ?」そう言ったチンピラは一人俯いている男の人に顔を向ける。視線を向けられた男を何も言わずただ虚ろな目で空を見ていた
「おい、そこの人ら〜、俺らのこと話題にしてくれるのはありがたいけどなんか用?」
力也が大胆にも聞いた。夢叶は力也がいきなり声をかけたので驚いてしまった。
「あいつらのせといてどの口が言うねん!仲間を無下にしたヤツにはなぁこーじゃ!」
短気だと思われる先ほどの仲間のようなやつが力也に金属バットを振りかざしたその時
先程まで虚ろな目で空を見ていた青年が親指と人差し指でバットをつまんだ。
「なぜ止める!?」チンピラが青年に聞く。
「お前らじゃ敵わないからだよ。そんな鉄の棒なんかじゃな…俺に任せろ。」と言いつけていたフードを脱ぐ。この世の者とは思えないような生気の無い目で気圧すように夢叶を睨む。
夢叶が青年を睨み返した途端目を見開いたまま動きを止めた。
「夢叶!?なんや…これは沙音が言ってた…!夢叶は目を合わせてた…それがあいつの能力の…」力也が逡巡する間に既に青年は力也の懐まで迫っていた。細長い腕から出されたパンチを素早く避け腕と肩をつかみ足をかけ投げようとしたが倒れず仕方なく突き飛ばし、間を開けた。
そして力也は固まっている夢叶を抱えて少し俯きこう叫んだ。
「白狼のォォォォ雄叫びィィィィ!!」
そう叫ぶと口から音波のように同心円状にどんどん波動が広がりそれが地面に触れると崩れ吹き飛んでいき砂が舞ったチンピラたちに当たると吹き飛ぶ。
舞った砂に紛れて力也は逃げた。
「おい!夢叶!おい!」逃げて少し経ち、落ち着いてから夢叶の肩を数回叩いた。もう固められたから30分は過ぎている。
突然夢叶の体がぶるっと震えその瞬間柔らかさを取り戻した。
「ん…力也!あの人…沙音が言ってた…」
夢叶が口を開いた。
「多分そーやな、明日会えたら確認すっか。それより痛いとことかないんか?立てるか?」力也が不安そうに尋ねた。
「うん。いけるよ、まだあの人たちいるかもしれないから遠回りして帰ろう。」
10分後無事夢叶の家につき2人は別れた。
家に帰ると遅かったわねぇと母に言われ、ちょっと遊んでた。と返して風呂に向かった。幸い濡れたり汚れてるのは見られていない。
部屋着に着替え、食卓についた。テレビを見ながら家族で喋っていた時、耳を劈くようなドーッンというような音と地震かのような揺れが襲った。慌てて音がなった方を見ると
あの二対のビルのうち片方が倒れていた。