6.味の素の餃子っておいしいよね
早く帰る為に、昼飯も食べながら仕事をした。
おかげで今日も19時には帰宅できた。
ドアを開けるとクリオネが飛びついてきた。
『にーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!』
玄関にいたのか。
廊下に水の跡があるので、帰ってくる俺の足音で玄関にダッシュしたものと思われる。
いままで風呂場で遊んでいたようだ。
癒される。
『にーーーにーーーー・・・』
クリオネは悲しそうな鳴き声をあげながらぐりぐりと頭を俺の足に擦り付けている。
そして癒される。
「まぁ落ち着け、ニート君」
早速つけた名前を呼んでやる。
スーツを脱ぎながら空のバケツを回収し台所の流しにいったん置いてニート君を持ち上げる。
しばしの高い高いタイム。
ニート君が満足したところでバケツを洗い、新しく飲み物を入れてやる。
「今日はな、アクエリアスレモンだ。」
お口に合わなかった時の事も考えて、ポカリも買ってある。
まずは一口、コップにアクエリアスレモンを注ぎニート君に飲ませてみた。
『っ?????』
『にーーーーーーーーう???』
全部飲み干したものの、反応が分かりにくい。
もう一杯。
『???』
『にーーーーーーーーう???』
合わなかったか。
片付けようとすると、ぐりぐりと頭を擦り付けてアクエリアスレモンのペットボトルを指さしてきた。
「お?まだ飲むか?」
『にっ!!』
難しい反応をした割には、癖になるお味だったらしい。
空になったペットボトルを手放さない。
・・・明日からいろはすシリーズもいってみるか。
廊下を雑巾がけしながらそんなことを考えた。
「さて、メシにするか」
ビールを片手に、冷凍餃子を焼いていく。
餃子の香ばしい匂いに気が付いたのかニート君が寄ってきた。
「おい、危ないからあっちにいなさい。干からびるぞ。」
『にーーーーー・・・』
「すぐ持ってくから」
それでも気になるらしく、ちょっと離れたところからじっと見ている。
餃子を皿に盛り、飲みかけのビール片手にテーブルに置いた。
ニート君、興味津々だな。
バケツにポカリを注いでやり、餃子を1個ニート君の口に放り込んでやった。
『っにふっ!!にふにふっ!!!』
熱かったか?
『・・・にっふーーーーーーーーーぅ!!!!』
旨かったらしい。
ものすごい催促に応えてもう1個口に放り込んでやった。
『にっふにっふ・・・にっふーーーーーーーーーぅ!!!!』
そしてバケツの中に飛び込んでぐるぐる回っている。
喜びのダイブ、からの喜びの舞。
いい食べっぷりだ。
もう1回焼いてくるか。