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#1 足を手に変えたい

最近、巷で人気の人体改造店「フリースタイル」です。

遺伝子レベルの分解、再構成を行い、今までに無いスタイルの人体改造を実現し、開業して5年、延べ1万人以上の人体改造をしてきました。

我が店の利点はなんと言っても可逆であること。

それまでの人体改造といえばやってしまったが最後、もとには戻せない、と言った覚悟が必要でしたが、

私たちの場合は改造後、もとの形に戻せるかまでは保証できませんが、遺伝子レベルの分解、および再構成をしているので、ささっと手術を済ませることが可能であります。

また、特別な触媒により再構成を早める方法をとっているため数時間での施行が可能。日帰りで人体改造できます。

また、改造が可逆である手軽さゆえ、お客様のリターン率が高く、安価な価格設定が実現しています。



「いらっしゃいませ。」


本日1人目のお客様です。


「あの、……初めてなんですけど…。」

「でしたらまず、会員証を発行しますのでこちらに必要事項の記入をお願いします。」

「はい。」

「本日はどのような改造を…?」

「え…っと、ホームページを見まして、あの、足首から先を、…手に変えて欲しいんです…。」

「わかりました。」


記入が終わったようですね。


「えぇっと、笠原美香(かさはらみか)さんですね。」

「あ、はい。」

「今回のプランですと、1時間程で仕上がりますので、採血したら手術室へ、早速。」

「あ、はい。」



採血をして、手術室へ。



「企業秘密と混乱防止のため、アイマスクしてもらいます。手術の内容は術後にお話ししますので。」

「はい。」

「足首に麻酔しますので両足で2回、少しチクっとしますよー。」


「そろそろ足の感覚無くなってきましたか?」

「そ…うですね。」

「それでは、」


電子機器の操作音と、糸が切れるような小さな音が響く。


◇◆◇◆◇◆◇◆


「終わりました。」

「早い、ですね。」

「ここから20分程安静にすればほぼ完成です。多分麻酔が効いて動かせないとは思いますが。」

「そう、ですか。」

「さて、手術の内容ですが、」


まず、採血して、そこからDNAの配列を読み取り、手を作る命令の部分のみを残しておく。

足首に麻酔をかけて、効いたら、特殊な機械で足を切断し断面に先程のDNAの情報が含まれた粉末を満遍なくかける。

粉末に特別な触媒を施してあるので3分程で赤ちゃん並みの手になる。

20分程で成人並みの手になる。


「ということです。手の方が面積が小さい分歩くのは多少困難になるかもしれませんが。」

「大丈夫です。滅多に外出しない…ので。」

「そうですか。所で切断した足は要りますか?血液を抜いて腐敗防止加工して置物に出来ますが、」

「い、…いらないです。」


少し怯えているかもしれません。やり過ぎましたかね。



「そろそろ、足の感覚戻ってきました?アイマスク外して良いですよ」

「はい。…おぉ」


彼女の足首から先には綺麗な手が備わっていた。片脚を手前に持ってきて新しくできた手を拝む。


「凄く柔らかくて、気持ちいい…です。ありがとうございました。」

「いえいえ。」


新しくできた手を握って開いてを繰り返して、慣れてくるとベッドを支えにして立ち上がった。

やがてベッドの周りを歩きだすと支えなくして歩けるようになった。


「さて、それではお会計の方を行いますね。お客様は初回ですので初回割引をしまして、5,900円です」

「や、安いですね!」

「安さが売りですから。」



「ありがとうございました」

「またのご来店をお待ちしております。」


本日1人目のお客様は足を手に変えたいという願いでした。

確かに実質手が4本ということで不便なことよりも便利なことの方が多いですよね。

彼女は特に、外出はしないようですし。



To be continued...


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