クリスについて
ゲームの中での『クリス』の話をしようと思う。
『貴方が王様になるまで』の中で、15歳になった主人公は、魔力の高さを買われ、とある学園に入学する。そこでさまざまな攻略対象と出会い、その距離を縮めていく。
すると気づくのだ。皆、『クリス』という人物の話ばかりすると言うことに。彼らは皆、クリスに許してもらうまで、クリスにいつか会えるまで、自分は幸せになどなってはいけないのだと言うのだ。
困惑した主人公は『クリス』について調べる。そして3年前に亡くなった人物だということを知るのだ。
彼は死ぬのを前提としたキャラクターだった。なので基本的にスペックは低い。
にもかかわらず、魔力を人に渡すことができるという能力を現してしまったというキャラクターだ。
『わたし』ではない、オリジナルの『クリス』は、あの時ムウファと共に王子を助けることはない。ムウファが一人で王子を助けるのがシナリオだったのだ。ただ、ムウファとは故郷で無二の友人であるのは変わりがないので、王子に引き抜かれたムウファが、ある日ポロッと王子にクリスの秘密を話してしまう。
それから、クリスは自分の身を満足に守ることもできないながらに、王子に引き立てられ、王子やムウファに魔石を渡す生活を送る。
クリスはおとなしいが穏やかで、笑顔を絶やさないキャラクターだった。いきなり連れて来られた王宮で肩身の狭い思いをしても、自分が傷だらけになってもなお仲間を気遣い、『足手まといになってごめんね』といつもムウファに謝っていた。
ムウファやルドルフ王子、後に出てくる攻略対象達は、そんなクリスをどこか軽く見ていたところもあるけれど、とても大事にしていた。心の中では彼に癒しを求めていたのだ。
ムウファは主人公とのデートイベントで、『あいつがいたから、俺は頑張ることができたんだ。まぁ、俺が王都に無理やり連れてきたようなモンだったんだけどな』とクリスのことを語っている。
そう、実はこのあたりでこのゲームは乙女の腐った部分を大いに刺激した。
クリスそううk……とか言う話は置いておいて。
そんなクリスだったが、彼は意志が強く、一度決めたことは曲げなかった。
ゲームの舞台である学園に入る前、攻略キャラたちが12歳のころ。王子やムウファはじめ、スペックの高い攻略キャラ達は隣国との小競り合いの鎮圧に駆り出されていた。
その隙を縫うように、第2王子の手引きで、ムウファとクリスの故郷が魔物に襲われるという事件が起きる。
自分の故郷の危機に、クリスは黙っていられなかった。魔石は味方にすべてを渡してしまっていて、手元には短時間で魔力を込めたほんの少しの魔石のみだったにも関わらず、彼は一人で故郷に向かう。
攻略キャラたちがそのことを知り、故郷テンの村に駆け付けると、半壊した村と、瀕死のクリスを介抱する村人。
クリスは自分のスペック以上の力を使って、村を守り切った。建物は破壊されていたが、村人には死人が出なかった。
クリスは文字通りすべてを使い切っており、何をしても助からなかったが、それでも故郷を守ることができた満足感で笑顔を浮かべながら、静かに亡くなる。
攻略キャラたちは、それぞれクリスに負い目や執着を持っている。そのトラウマを一つづつ紐解いてあげるのが、攻略の決め手なのだ。
くらーーーーーーーー!!!!!!\(^o^)/
クリスの立場低っっ!
ものすごくほの暗いゲームだよ!
なんでこれがそんなに人気が出たのか不思議なくらいです!あれか、腐れ効果か!!!まさに狙ったストーリーだものな!!
しかしこうしてみると、私とオリジナルとの乖離が激しいな。低いスペックというところしか合っていないね?ああ、あと穏やかな性格のところとか?
そもそも、本来男であるところ、私は生物学上は女なんだから、最初から違うんだよね。
まぁでも。
オリジナルよりは、我が運命にも少しは逆らって生きることができたと思うから(結局死んだけどな!)。少しは自分を誇ってもいいのかも、と思う。
もう少しこの思い出に浸ってから、あの世とやらに行ってやろうじゃないか。
それぞれの攻略対象と、そのトラウマについてなんとなくの構想はあるものの、文章力が無くてうまく物語にできる気がしません;;
相変わらず矛盾点は多々あると思いますが、一発書きクオリティとして生ぬるく見ていただければ幸いです…。まだ続きます。