表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Flower_Garden*  作者: 紆々幽
1/1

Hydrangea*

…何だ?


体中が重い。痛い。

…気だるい。俺を起こさないでくれ。


突然そんな気分に陥った。

だが、その要求虚しく俺の瞼を突き破り、光は容赦なく差し込む。


「…ん…ぅん…?」

目覚めたのは…見慣れもしない、森の中。

草花の濡れた匂いが、鼻にくすぐったくて心地よい。

「…いや…何処だ、此処?」

誰にでもなく呟いた。

強いて言えば、俺自身にだろうか。

場所は一向に検討もつかない。

自然に溢れて一見長閑かだが、様々な植物が鬱蒼と生い茂り、

ありとあらゆる花が咲き乱れている様は実に不気味でもあった。

俺はそんな場所、1ミリたりとも知らない。


横たわりながら考えていると、近くからがさり、と物音がした。

俺は瞬時に横たわりつつだが身構えた。

「誰か…いるのか?」

その言葉に反応したのか、小さな人影が現れた。

「…?」

「なんだ、そんなとこに人居たのか。見ない顔だな…新入りか?」

小さな人影は、その姿に似つかわしくない口調で、早口で俺に問い掛けた。

その姿というのも、金色の淡く輝く髪をハーフアップで纏め上げ、

髪飾りと同じ紫陽花色の、大きな瞳を湛えた美しい姿をしている。

しかも…


…どうみても4~5歳の少女なのだ。


そんな彼女に見惚れていると、問いに答えない俺を待てないのか

その少女は、またも口を開いた。

「私の名前は“ハイドレンジア”。

 …そうだな、“ハイドラ”でいい。お前の名は?」

「あ…お、俺は…」

彼女の言葉にハッとし、俺も名乗ろうと思ったのだが。

「…お、俺…は」

「どうした?」

おかしい。俺の名前だぞ?

何故…何故だ…


思い出せない。


「出てこないのか?」

「…、ぐ」

図星を突かれ、彼女の浮かべる微笑は心なしか嘲笑にも見えた。

「そうか、やはり…。

 …うーん、ならば私がつけてあげようか」

「は!?」

「出てこないのだろう?名前。

 不便だろう、一時的なものでいい。私がつけてやる」

突拍子も無い事を言い出すものだから驚いたが、

そう言われてしまうと納得せざるを得ない。

それ以上の反論の言葉を俺は持っていなかった。


「…ふむ、丁度よく咲いているじゃないか」

「な…何が」

「この花だ」

彼女…いや折角名乗ってくれたのだからそれは相応しくないか。

ハイドラは、俺の傍らに多く咲いていた花の一つを摘んだ。

それは中心が黄色く、外側に向かって朱色になっていく綺麗な花だった。

「これは…?」

「よし、これが良いな。鮮やかでお前には似合わないかもしれないが…」

ハイドラは俺の言葉を無視し、さらに若干気になる事を言ってのけた。

「お前の周りに咲いていたのも何かしらの運命だ。

 この花から取ってお前は“リオサ”だ。宜しく、リオサ」

「は…はぁ…」

リオサ。リオサ…か。

強引に付けられた名前だし少し女々しい…だが悪い気はしなかった。


にしても、この強引さ。

誰かを彷彿とさせるのだが…。

俺は自らの名前を忘れてしまった程の記憶喪失者だ。

そこに当てはまる奴の名前も顔も浮かぶ訳なく。


この森に見覚えがないのも記憶が無いからか?

それなら、俺はこの場所を知っていたのだろうか。

…じゃあ、ハイドラは…。


いや、考えても無駄だ。

この状況がどうなる訳でも無いだろう。



俺は、どうなるんだろうな。

取り敢えず、この不思議な少女ハイドラに身を任せてみる事にした。

始まりました。

記憶喪失くん“リオサ”と

妙に上から目線幼女“ハイドラ”の

不思議なお話Flower_Garden*


実はこれ、3年前くらいに描いた落書きから出来たお話でして。

厨二病な仕上がりかと。

あ、でもまだ完結まで至ってないんですよ。

うわあどうすんだ俺。



では今回の解説と要らない裏話をば。


リオサくん。

黒髪で前髪が短く、後髪は肩より少し下くらい長いです。

普段は赤いヘアゴムで尻尾を作ってます。

黒目の吊り目。

年齢は15歳程で、背は高いです。

記憶を失った理由は不明。まあ追々。


リオサという名前は皆さん何の花を連想したでしょうか。

実は薔薇の品種から取ってます。

綺麗で可愛い品種です。まじ似合わねぇ。

本名もあるんですが実はそっちも可愛い花の名前ですうわあ((^o^))

正直ギャップ狙ってました。3年前から。

一番最初は悪どそうな名前でしたが。


ハイドラたん。

おまいらの大好物幼女だ。

大好物じゃなくても幼女です。

外見なんかは本文の通りです。

ここまで上からというか大人びているのにも理由があります。

今のところはリオサの記憶然り、不明です。

ハイドレンジアは紫陽花です。

オルタンシアと悩んだんですがまあこっちの方が好みだったので。


彼女はリオサを知っているようです。

でも彼女本人も最初はハッキリしていなかったようで。

今回、今後の伏線にもなるような事をボソっと言って貰いました。

ちょっと自然すぎたから「ん?」ってなった人は少ないかと。


…まあ以上で今回の解説他は終了です。



これから多忙の合間を縫って更新していこうかと思います。

Flower_Garden*を宜しくお願いします。


読み方わからん・誤字発見などありましたらお気軽にどうぞ。

特に誤字なんかは。


お読み頂きありがとうございました!!

次回をお楽しみに。

完成次第掲載致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ