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第51話

<アメリカ陸軍>

・トーマス・クラウン中佐:"Grilled eel"部隊隊長 第1編隊編隊長 「バーバ・ヤガー」機長

・ウィリアム・バーディーン少佐:"Grilled eel"部隊 第2編隊編隊長 「ナッツクラッカー」機長

・ジョン・ブラッデン少佐:"Grilled eel"部隊 第3編隊編隊長 「ブラックスワン」機長

・ウォルター・ショックレー少佐:"Grilled eel"部隊 第4編隊編隊長 「ペトルーシュカ」機長

・ゴードン・ムーア少佐:"Grilled eel"部隊 第5編隊編隊長 「コングリーブ」機長

<第1編隊長 トーマス・クラウン中佐>

各編隊から落伍もなく、"Grilled eel"部隊20機は、御前崎のすぐ南の地点まで進出した。トーマス・クラウン中佐は、頭の中で編隊の配置を反芻した。

編隊は、ひし形状の形態で、私の第1編隊を先頭に、右翼に第2編隊、左翼に第3編隊、後方に第4編隊、ひし形の中央に第5編隊が配置されている。

「第5編隊の『コングリーブ』が活躍することがなければいいが。まあ、夜間にこの高度であれば、問題ないだろうが。」

トーマス・クラウン中佐を少し不安にさせたのは、逆探が断続的に捉える日本軍のレーダー波と、満月の明かりだった。

トーマス・クラウン中佐は、短く無線を使った。

「各編隊長、状況送れ!」

「第2編隊、AOK」

「第3編隊、AOK」

「第4編隊、AOK」

「第5編隊長機、『コングリーブ』。機銃の試射を許可願う。」

「了、速やかに実施のこと。」

トーマス・クラウン中佐が許可を出してしばらくすると、

「第5編隊、AOK」

よし、準備万端だ!浜松に向かおう。

「全編隊、左旋回。浜松は、目と鼻の先だ!」


<第5編隊長 ゴードン・ムーア少佐>

トーマス・クラウン中佐の作戦の中で、急きょ変更された箇所があった。それは、当初全機最大量の爆装をし、機銃等は取り外すことになっていたのが、私の搭乗する「コングリーブ」のみ爆装せずに機銃はそのままとされたことだ。"Grilled eel"部隊の防空を、一手に引き受けるために。

B29は、非常に高度な火器管制装置を有し、偏差射撃も容易に行える。高高度でまともに空中機動が出来ない、貧弱な日本軍機など、本機1機で十分!そもそも夜間であるから、接敵自体、無理だろう。


<第2編隊長 ウィリアム・バーディーン少佐>

正面に富士山、足元には駿河湾。日中ここを飛んだらどれだけ素晴らしいことだろう!特に富士山は、故郷のセントへレンズ山に似て美しい。と気を抜いていた時、視野の右の方に航空機の排気炎らしきものが見えた。

「『ペトルーシュカ』、こちら『ナッツクラッカー』。3時方向に排気炎らしきものを確認。そちらからは、どうか?」

最後尾の第4編隊長機を呼び出した。

「『ナッツクラッカー』、こちら『ペトルーシュカ』。現在旋回中で、確認できず。敵機の場合は、『コングリーブ』に任せればよかろう。」

「了」

考えてみれば、日本機がここまで上がって来られるはずがない。仮に上がれても、敵機は1撃すれば1万フィート近く高度を落とし、第2撃の位置に来る頃には、我々は、浜松爆撃を終えている。問題ないか。


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