第43話
<陸軍>
・池田公平陸軍大尉:戦闘九一一飛行隊副隊長
・佐久間陸軍中尉:飛燕第一中隊隊長
・田島陸軍大尉:飛行第二二戦隊隊長
<海軍>
・副島弘樹海軍大尉:戦闘九一一飛行隊隊長
・浅田海軍中尉:彗星第一中隊隊長
アメリカ軍も舐めたもので、最近平文で交信する事が増えてきた。そうした情報を集めていくうち、6月中旬以降に浜松への空襲が行われることが明らかになった。これまでも大規模な空襲があり、焦土と化した浜松で空襲の標的となりそうなのは、飛行場くらい。
しかし、陸軍上層部は、東海地方への空襲に対応するため、神奈川県に展開している飛行第二二戦隊(装備機:四式戦闘機「疾風」)から、1個中隊(12機)が、浜松基地に派遣することにした。
着任早々、飛行第二二飛行隊隊長の田島陸軍大尉は、戦闘九一一飛行隊隊長の副島海軍大尉へ対抗戦を申し入れた。戦闘九一一飛行隊が、編制直後に米海軍機を10機以上撃墜・撃破したことが信じられなかったからである。
演習の条件は、
下限高度:100m
上限高度:なし、
撃墜判定:主翼や胴体に数字を表記し、その番号を呼称する。後ほど、写真銃の写真で確認。
開始は、13時に離陸し、すぐ交戦に入る実戦に即したものとした。
戦闘九一一飛行隊は、飛燕第一中隊を代表とした(飛燕第二中隊は、第一に飛燕隊引き続き、二八号爆弾が搭載できるよう改修中)。
13時、三方原基地、浜松基地から、それぞれ12機の戦闘機が離陸した。