表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/55

第41話

<アメリカ陸軍>

・カーチス・ルメイ少将:第20空軍第21爆撃集団司令官

<アメリカ海軍>

・ウイリアム・ハルゼー大将:第58任務部隊司令官

ハルゼー大将が、部下に4か所ある浜松北基地(三方原基地や囮の基地に付けた名称)のせん滅作戦を立案させていた頃、陸軍航空隊から暗号電文が送られてきた。文面を読み進めるうち、ハルゼー大将の顔は、いつものブルドックから、獅子舞へと変わっていった。


発:第20空軍第21爆撃集団司令官カーチス・ルメイ少将

宛:アメリカ海軍 第58任務部隊司令官ウィリアム・ハルゼー大将


先日、ハルゼー大将の指示の下、麾下の偵察機を用い、浜松に複数の飛行場が発見された。第58任務部隊においては、偵察に先立つ攻撃で多数の被害を受けていること、航空燃料を積載したタンカーと合流できていないこと、また現在低気圧の接近に伴い、海象の悪化による安全な離着艦が困難と予想されることから、攻撃は我が第20空軍第21爆撃隊のB29を用いることが適当と考える。

よって、第58任務部隊からの攻撃は、中止されたし。

なお、私に無断で偵察機を出撃させたことについては、戦友のよしみで不問とする。

以上


前任の作戦参謀は、広い人脈を使い素早く仕事をこなす男であったが、まさか最後にこんなミスをするとは!奴は、今頃本土で、のんびり休暇を楽しんでいるのだろうと考えると、更に怒りが募る!

ハルゼー大将は、まだコーヒーの入ったカップを、壁に投げつけた。


ここは、グアムにある第20空軍第21爆撃集団。司令官のルメイ少将は、今度の作戦についてコーヒーを飲みながら考えていた。

ターゲットが滑走路だから、普通爆弾の絨毯爆撃でよかろう。

何割か、時限信管(週単位でセット出来るもの)を付けて、復旧工事を遅滞させるのもよかろう。爆弾は使いたい放題だ。

浜松北基地は4か所だから、B29を20機も出せば充分だろう。ついでに浜松基地もつぶそう。

浜松基地には、ネイト(九七式戦闘機)しか配備されておらず、浜松北基地にはデコイの戦闘機しか確認されていないから、戦闘機のエスコートは不要。

ルメイ少将は、作戦の概要をまとめて作戦参謀に手渡し、5日以内に作戦要領にまとめ上げ、適当な作戦名を付けて提出するよう命じた。

4日後、作戦参謀から作戦要領が提出された。

作戦名は、“Grilled eel”(ウナギのかば焼き)であった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ