第32話
<陸軍>
・池田公平陸軍大尉:戦闘九一一飛行隊副隊長
・佐久間陸軍中尉:飛燕第一中隊 中隊長
・東海林陸軍中尉:通電隊隊長、防風林電探基地にて指揮
<海軍>
・副島弘樹海軍大尉:戦闘九一一飛行隊隊長
・浅田海軍中尉:彗星第一中隊 中隊長
・高橋海軍少尉:技術士官、兵装担当
<学徒動員>
・島崎夏美:彗星隊の迎撃管制を担当
・山野いづみ:飛燕隊の迎撃管制を担当
・石岡智子:敵機の位置の連絡担当
・碇奈津子:見方機及び敵機の飛行経路計算を担当
<アメリカ海軍>
・ロバート・スピネッカー大尉:SB2Cヘルダイバー急降下爆撃機隊 隊長
・ミズン・ウォーターマン:SBD-5ドーントレス急降下爆撃機 隊長
・スタン・ヨルゲンセン中尉:TBM-3アベンジャー雷撃機 隊長
・ボブ・ストライカー大尉:F6Fヘルキャット艦上戦闘機 隊長
<ヘルダイバー急降下爆撃隊隊長 ロバート大尉>
ロバート大尉ら爆撃機隊は、FLAKによる対空射撃、トニーの急襲で既に半数が撃墜され、今飛んでいる機体も大半がどうにか飛んでいる状況だった。ロバート大尉の機体も、水平尾翼と補助翼をやられて、時速200km程でヨロヨロ飛んでいた。
すると前方に、敵の飛行場と思しき施設が見えてきた。
「これが、新しい日本の飛行場か?帰還して報告せねば!」
ロバート大尉は、後部銃座のブラウン少尉に写真撮影を命じた。ブラウン少尉は、愛用のライカ(ドイツ製のカメラ。ヨーロッパ戦線に従軍している兄からのプレゼント)で数枚写真を撮った。そしてフィルムを巻き上げていた時、周囲を機関砲弾と、対空噴進弾の爆発で生じる衝撃波に包まれた。
「ロバート大尉、撮影、完了しました!」
「ブラウン少尉、ありがとう。とにかくサラトガ(彼らが属する空母)まで帰ろう!我々は、絶対帰還する!」
<東の偽基地 高橋海軍少尉>
高橋海軍少尉の攻撃では、アベンジャーを1機しか撃墜できなかった。
しかしこの攻撃で、生き残ったアメリカ軍は、この偽の基地を本物と思って、報告することだろう。
高橋海軍少尉は、島崎さんに作ってもらったふかしイモを食べ、周囲が静かになったのを見計らって、愛用の陸王(日本で生産されたハーレダビットソン)で「本物の」基地へ帰投した。
<アベンジャー爆撃隊 スタン中尉>
数時間後、満身創痍のスタン中尉のアベンジャーが、無事空母レキシントンに帰還した。
キャノピーが開いて、スタン中尉が降り、次にブッシュ少尉と無線手が降りてくると、同僚が集まってきてブッシュ少尉に言った。
「今回は、潜水艦のお世話にならなくて良かったな!ようやく運が回ってきたんじゃないか?きっと戦争が終わったら、おまえ、アメリカ大統領になれるよ!」