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第30話

<陸軍>

・池田公平陸軍大尉:戦闘九一一飛行隊副隊長

・佐久間陸軍中尉:飛燕第一中隊 中隊長

・東海林陸軍中尉:通電隊隊長、防風林電探基地にて指揮

<海軍>

・副島弘樹海軍大尉:戦闘九一一飛行隊隊長

・浅田海軍中尉:彗星第一中隊 中隊長

<学徒動員>

・島崎夏美:彗星隊の迎撃管制を担当

・山野いづみ:飛燕隊の迎撃管制を担当

・石岡智子:敵機の位置の連絡担当

・碇奈津子:見方機及び敵機の飛行経路計算を担当


<アメリカ海軍>

・ロバート・スピネッカー大尉:SB2Cヘルダイバー急降下爆撃機隊 隊長

・ミズン・ウォーターマン:SBD-5ドーントレス急降下爆撃機 隊長

・スタン・ヨルゲンセン中尉:TBM-3アベンジャー雷撃機 隊長

・ボブ・ストライカー大尉:F6Fヘルキャット艦上戦闘機 隊長

<飛燕第一中隊隊長 佐久間陸軍中尉>

佐久間中尉は、ほくそ笑んでいた。敵戦闘機の居ない艦上爆撃機部隊!カモである!しかし、後部銃座の機関銃や意外と、意外と機動性は良好であるから、油断は禁物。

「全機に告ぐ。これより高度3000m付近を飛行する敵艦爆隊を殲滅する。ただし、あまり深追いをするな!適当な所で帰投せよ。自爆は厳禁!」

当時、燃料がなくなると自爆するような風潮があったので、それを厳に慎む命令であった。

「全機、攻撃!」

佐久間中尉は、スロットルを前開にし、敵機に向かって上昇を始めた。


<アベンジャー爆撃隊 スタン中尉>

スタン中尉の機の後部銃座手であるブッシュ少尉は、たまたま機腹部の銃座でその機体を見た。彼は、陸軍のP-51マスタング戦闘機だと勘違いしていた。この空域に居る日本の戦闘機は旧式機だけ、硫黄島陥落で、P-51マスタングが日本上空まで来ていると言われていたからだ。

 しかし、接近しているP-51の機体は、最近一般的なシルバーではなく、緑色に塗装されている。もしや・・・・

「6時下方より、トニー(飛燕のアメリカ側呼称)が接近中!」

 無線を発したのは、左隣を飛ぶベン・リチャ-ズ少尉の機体だ!

 スタン少尉が怒鳴った!

「全機に告ぐ、超低空をフルスロットルでジグザグに飛べ!どうせ奴らは、ひよっ子だ!」

しかしブッシュ少尉は、接近するトニーがこれまでと違うことにすぐ気が付いた。遠くから無駄弾を撃ってこない。ドイツ軍のように2機編隊を最小編隊とし、互いにカバーしあっている。それに、速い!以前フィリピンで接敵した新型のトニー(飛燕Ⅱ型)よりも明らかに速い!

ブッシュ少尉は、考えるのをやめた。とにかく、海まで出よう!海まで行ければ、潜水艦が助けに来てくれる!ブッシュ少尉は、敵機に向けて発砲を開始した。


<飛燕第一中隊隊長 佐久間陸軍中尉>

佐久間陸軍中尉は、僚機と共に、正面のアベンジャーを狙っていた。各電探基地から、敵戦闘機がこの空域に居ないことが分かっていたので、幾分気楽だ。

狙われているアベンジャーは、しきりに7.62mm機腹機関銃を撃ってきているが、映画のようには当たらない。

佐久間中尉は、彼我の距離が200mを切ったので、切替金を12.7mm機関銃と20mm機関砲の同時発射に合わせ、静かに引金を引いた。

その時である。機首の12.7mm機関銃が、主翼の20mm機関砲が、おびただしい数の光芒をアベンジャーにぶつけ始めた!

「高橋少尉の仕業だな~!!!」

じつは出撃前、高橋海軍少尉が佐久間陸軍中尉に「射撃したらびっくりしますよ!」と言っていたのだが、まさか全弾曳光弾(光を放ちながら飛ぶ弾。通常は、5~10発に1発程度装填される)にするとは・・・・それにしても、海軍の20mm機関砲の威力は、物凄い!命中した敵機の主翼も胴体も、四散している。痛快だ!


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