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第29話

<陸軍>

・池田公平陸軍大尉:戦闘九一一飛行隊副隊長

・佐久間陸軍中尉:飛燕第一中隊 中隊長

・東海林陸軍中尉:通電隊隊長、防風林電探基地にて指揮

<海軍>

・副島弘樹海軍大尉:戦闘九一一飛行隊隊長

・浅田海軍中尉:彗星第一中隊 中隊長

<軍属>

・津田忠:日本無線社のレーダー技師、防風林電探基地にて在住

<学徒動員>

・島崎夏美:彗星隊の迎撃管制を担当

・山野いづみ:飛燕隊の迎撃管制を担当

・石岡智子:敵機の位置の連絡担当

・碇奈津子:見方機及び敵機の飛行経路計算を担当


<アメリカ海軍>

・ロバート・スピネッカー大尉:SB2Cヘルダイバー急降下爆撃機隊 隊長

・ミズン・ウォーターマン:SBD-5ドーントレス急降下爆撃機 隊長

・スタン・ヨルゲンセン中尉:TBM-3アベンジャー雷撃機 隊長

・ボブ・ストライカー大尉:F6Fヘルキャット艦上戦闘機 隊長

<F6F戦闘機隊隊長 ボブ大尉>

「敵FLAKの攻撃です!」

ホイットニー曹長がミズン中尉にFLAKの報告をしていた頃、ボブ大尉も僚機のリチャード中尉から無線で報告を受けていた。

晴天ならば空対空ロケット弾が曳く黒煙で、噴進弾攻撃であることがすぐ分かったであろうが、薄くかかった雲に隠れて黒煙は見えず、その炸裂の様から大口径高射砲であると判断したボブ大尉は、ヘルダイバー爆撃機隊隊長ロバート大尉の帰投命令を聞き、

「爆撃隊帰投に付き、我々も帰投する。敵はFLAKのみで、戦闘機はいない。あまり燃料に余裕がないため、空になったドロップタンクを投棄、速やかに帰投せよ!」

 ボブ大尉以下10機のF6F戦闘機は、速度を上げ、爆撃隊よりやや先行する形で空母へと向かった。

(この行為は、後の軍法会議で、友軍を見捨てた卑劣な行いとして問題とされた。)


<防風林電探基地 東海林陸軍中尉>

「敵戦闘機部隊が、爆撃機隊より先行して南下していきます。」

 高橋技師から報告を受けた無線のスペシャリストである東海林中尉は、津田技師に質問した。

「あのウルツブルクで、戦闘機隊と爆撃機隊の通信を妨害できないかな?」

「やったことはありませんが、可能だと思います。無線周波数は分かっていますから、戦闘機隊の無線周波数に近似の電波を当てれば、妨害できます。徐々に出力を上げれば、妨害はばれないでしょう。」

「了解。早速準備をしてくれ。準備が終わり次第、私に報告のこと。」

「はい!」

 東海林陸軍中尉は、受話器を取り、三方原飛行場に居る副島隊長を呼び出した。

「何だね、東海林中尉。」

「はい、副島隊長。これから、防風林電探基地のウルツブルクを用いて、敵戦闘機隊の無線を妨害します。その後、飛燕隊により敵艦上爆撃機隊を掃討させましょう。」

「無線妨害は、可能なのか?それに伴う不利益は?」

 ちょうどその時、津田技師が準備完了の報告をした。

「只今、準備完了の報告を受けました。不利益はありません。」

「よし、実施したまえ!」


<F6F戦闘機隊隊長 ボブ大尉>

ボブ大尉は、少し前から無線の空電音が賑やかになったのに気が付いたが、それは、長いこと乗っている乗機の無線のフィルター回路が劣化して、エンジンのノイズでも拾っているのだろうと考えた。

他のF6Fパイロットも、似たように考えていたか、増加した空電音に気が付かなかった。そしてその空電音に隠れた友軍機のSOSも・・・・


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