第25話
<陸軍>
・池田公平陸軍大尉:新芙蓉部隊副隊長
・佐久間陸軍中尉:飛燕第一中隊隊長
・東海林陸軍中尉:技術士官、通電隊隊長
・伏木陸軍少尉:技術士官、整備担当
<海軍>
・副島弘樹海軍大尉:新芙蓉部隊隊長
・浅田海軍中尉:第一彗星中隊隊長
・高橋海軍少尉:技術士官、兵装担当
・宮藤特務少尉:技術士官、整備担当
<学徒動員>
・島崎夏美:彗星隊の迎撃管制を担当
・山野いづみ:飛燕隊の迎撃管制を担当
・石岡智子:敵機の位置の連絡担当
・碇奈津子:見方機及び敵機の飛行経路計算を担当
彗星第一中隊隊長である浅田海軍中尉が、言葉を発した。
「ところで、今回の演習で、無線士が女性になっていて、非常に聞き取りやすかった。」
続いて飛燕第一中隊隊長の佐久間中尉も、
「同感だ。しかも、彗星隊と飛燕隊で人を変えてあるのがよい。隊毎に無線電話のチャンネルを変える方法もあるだろうが、互いに相手の隊に出された指示が分かる方が、敵、飛燕隊、彗星隊の空間的な位置関係が把握しやすくて良い。」
「それと誘導の精度が、非常に良くなっている。これなら、夜戦で確実に優位な位置を占有できる!」
すると副島隊長が、部屋の片隅に立っていた女性を手招きして、紹介を始めた。
「こちらに居るのは、学徒動員で当基地に配備された女学生達だ。各自、自己紹介したまえ。」
「はい。私は、島崎夏美と申します。静岡和洋女子職業学校3年。彗星隊の迎撃管制を担当します。よろしくお願いします。」
「私は、山野いづみ。西遠高等女学校2年生。飛燕隊の迎撃管制を担当します。よろしくお願いします。」
「私は、石岡智子です。西遠高等女学校1年生です。敵機の位置の連絡をします。」
「私は、碇奈津子と申します。私とこちら3名は、浜松高等工業学校の数学部から参りました。見方機及び敵機の飛行経路計算を担当します。私は、こちらの基地で、他の者は、各電探基地に1名ずつ配置されます。」
隊員は、久しぶりに見た10代の女性に目を丸くした。
そうした中、高橋海軍少尉は、挙手して発言した。
「意見具申します!我が九一一空に配属されるのに、学校の制服ともんぺ姿は不適当であります。作業服を支給すべきです。」
副島隊長が、ヤレヤレという表情で、
「作業服は、手配してある。もんぺ姿は、目立つし、一体感が保てんからね。」