第17話
<陸軍>
・池田公平陸軍大尉:新芙蓉部隊副隊長
・東海林陸軍中尉:通信電子隊隊長
・伏木陸軍少尉:技術士官、整備担当
<海軍>
・副島弘樹海軍大尉:新芙蓉部隊隊長
・佐藤海軍大尉:整備隊隊長
・高橋海軍少尉:技術士官、兵装担当
・宮藤特務少尉:技術士官、整備担当
<軍属>
・津田忠:日本無線社のレーダー技師
副島隊長と池田副隊長は、一連の作業の途中経過を確認するため、各部署の代表を集め、会議を行った。
参加者は、
飛行場については、佐藤整備隊長。
航空機については、宮藤特務少尉と高橋海軍少尉、伏木陸軍少尉。
通信については、東海林中尉。
電探については、津田技師。
副島隊長が質問を始めた。
「佐藤整備隊長、飛行場の状況はどうだ?」
「本物の飛行場、及び格納庫の偽装は、問題ありません。また、三方原基地の西方に5キロ間隔で4箇所あるニセ飛行場も、若干手を入れました。浜松工業学校の学生に草刈りをさせ、横に待機所風のほったて小屋を作った程度ですが。なお、飛行場としての機能はありません。後で、市内の大工に戦闘機の偽物を作らせるよう手配してあります。4日後に完成予定です。」
「それらには、ちょっとした花火も仕掛けておきました。」
「高橋少尉。発言は、後でしてもらう。」
副島隊長が注意した後、池田副隊長が質問を続けた。
「通信はどうだ?東海林中尉!」
「はい!機上の通信については、宮藤少尉にしていただくとして、私は、地上の通信網について説明いたします。」
「続けたまえ。」
「三方原基地と3カ所の電探基地、すなわち、一番南の防砂林電探基地、浜松基地南の佐鳴湖電探基地、浜松基地東方に南北に延びる遠州鉄道の貨車を改造した移動電探基地は、3系統の無線を用意しています。」
「つまり、3台の無線機を設置しているのだな。」
「はいそうです。ただ、通信に使うのは2台で、1台は敵無線傍受用に用います。また、移動電探基地を除く基地は、3系統の通信線も設置しました。通信線は、土管を利用して、埋設してあります。」
「一つの基地で、無線2系統、有線3系統の計6系統か。通信不良の心配は、だいぶ減ったな。」
「学徒動員の学生には、かなり苦労をかけました。」
「うむ、そうだな。では、電探の進捗。津田技師、報告せよ。」