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プロローグ

1945年の空に散った、数多のパイロットへ

<プロローグ>

 浜松市立豊岡小学校。三方原台地の中央辺りにあるこの小学校には、隣接する豊岡幼稚園同様、築山がある。もっとも幼稚園の築山が、明治天皇が陸軍の演習を観覧されるのに使われたのに対し、小学校のそれは、整地の際に出た赤土を山にした物にすぎなかったが。

 アスレチックの施設が設けられた小学校の築山は、子供達の人気のアイテムだが、私が小学3年生だった時、現地をおそった大型の台風が、築山の一部を崩したため、小学校側は、築山の使用を一時中止した。

 しかし、そこは遊び盛りの小3男子。先生と同級生女子の監視をかいくぐり、築山への接近を試み、その都度怒られていた。

 

 私は、その日も築山へ近づいていった。すると、右足に金属製の缶を蹴った感触を感じた。

それは、100mm×100mm×50mm程の大きさの金属製の缶だった。お菓子の缶に似たそれに、「不発弾ではないな」と判断した私は、密かにそれを持ち出し、正門近くに隠した。帰宅時、それを回収した私は、三方原官舎(自宅)裏の怪しげな池でその箱を開けた。

 自己融着テープらしい物をはがし、箱の蓋を開けると、綿の敷かれた箱の中には、3本の真空管が入っていた。

 私は帰宅し、父の意見を聞こうと、その晩父にそれらを見せた。父は、浜松基地の第二術科学校で、ナイキJの教官をやっていた電子工学の叩き上げ系幹部だった。

 3本の真空管を凝視した後、父は、書棚から青い表紙の本を取り出し、177ページを広げ、説明した。

「この真空管は、ドイツ製対空レーダー”ウルツブルク”に使われていた真空管だ。大きい物から順に、LG-2、LD-2、RV12P2000だ。ウルツブルクは、関東から外に出ていないはずだが。おまえ、これをどこで拾った?」

「校庭の隅。」

築山は、校庭の端にあるから、嘘は言っていない。

「なぜ浜松の真ん中に、こんな物が・・・・」

二人は、黙り込んだ。


この小説は、それなりの根拠をもって航空機の性能を変更しています。

しかし、あくまで架空戦史。あまり細かい点は突っ込まないで下さい。

フィクションですから!

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