詩 風鈴
掲載日:2026/07/12
チリン、と風鈴が鳴る。
まるで妖精が楽器を操ったかのように、心に清いものが広がっていく。
側にはスイカがあり、1つ手に取って青空に聞く。
「1つ、食べますか?」
もちろん答えはないが、雲が具現化し、手を伸ばしたような気がして、しばらくスイカを差し出す。
お礼のつもりか、また風鈴がチリンと鳴る。
風の妖精が舞っているような、贅沢感。
喜びを噛み締めながら、スイカをようやく口にする。
「美味しい!!」
冷たくて、甘くて、身体が冷えていく。
種が食べられまいと、邪魔するが、それは丁寧に取り除いて再びかぶりつく。
はあと満足な声を吐くと、スイカを置き、縁側に手をつく。
足をぶらぶら揺らすと、穏やかな気持ちになっていく。
「ああ、幸せ」
伸びをし、縁側に倒れ込むと、透明な風鈴を眺めたのだった。




