7.MCO式!配信の心得
「んで、なんの話だっけ?」
「もぉ!!やっぱり聞いてないじゃん!」
ぷりぷりと怒りながらも、もう一度ミレイちゃんは説明してくれた。
今からは配信の準備に取り掛かっていくらしい。
「準備に必要なものは、義父があらかじめ用意しておいてくれました!」
どうぞどうぞと手を振りながら、めんどくさそうにしている瀬戸さんを呼んでくる。
「えっと、MCOの配信はね、普通のカメラじゃできないんだ」
瀬戸さんが言うには、普通のカメラは“3次元”──つまりプレイヤーを映し出すため、バーチャル……電脳的な世界をプレイしている最中のカプセルを映すという、なんとも馬鹿げた映像になるのだとか。
そのため──
「MCOでは専用の機器とスキルが必要になる」
「スキル…ですか」
一応、専用の機器はあるらしいが、スキルは個人で取得しなければならないらしい。
「そのスキルを取ってもらうため、最初の村に行ってもらうことになるかな」
「スキルの取り方は美澪に説明してもらって!」
「じゃ!よろしく〜」
「あっ!義父ちょっ、まって!」
そう言う間もなく、瀬戸さんは帰っていった。
本当に統括できているんだろうか……少し心配になる。
ため息を吐きながら、ミレイちゃんは残りの説明をし始めた。
「はぁ、しょうがないです…」
「『撮影』──このスキルは配信者さん向けに作られたもので、結構簡単に取れるんです。配信するには良いのですが、いわゆるまとめ動画には向いてないんですよね。なので、もう一つ『編集』を取ってほしいんです。これがまた、辺鄙な方法でして…」
「まぁ、なんなら『撮影』もレベルを2個くらい上げていただきたいんですけど」とぼやきながら歩くミレイちゃんについていく。
「最初の村はこっちですよぉ」
「ここから移動するには魔法系のスキルを覚えなきゃなんだけど、まぁ私がいる限りは大丈夫かなぁ」
そう言ったところで、視界が一瞬にして白く染まった。
最初に話したときと同じような感覚──そう思いながら身を委ねると、そこはもう知らない村だった。
もちろん、ミレイちゃんの姿はなかった。……もう慣れたものだ。
[私は管理権限がまだないとはいえ次期管理AI。そのため他のプレイヤーには干渉できないのです。]
[ところでこのスキル…〈対話〉はいつどこで?]
ウインドウにメッセージが浮かぶ。
まぁ、さすが管理AIというだけあって、スキルの把握はされていた。
〔まぁ…“瑕疵の回帰者”の専用とか…じゃない?〕
[それが、他のスキルはわからないんですよねぇ]
[まぁ、なかったら私がスキル付与してたんでいいんですけど]
[じゃぁスキル会得の旅ですよ!]
どこか楽しげなメッセージの指示に従いながら、光希は最初の村の探索を始めた。




