謎のウインドウメッセージ
[あ、ちょっとまってね]
文字が出てくると数秒もかからないうちにウインドウが一瞬光る。
「対話…?」
[スキル︰対話][SkillRank︰B]
[どんな状態でも影響されることはない、会話・対話の専用スキル。心理的、物理的距離のどちらかが範囲内に入ったときに作動する。よほどの状況じゃない限り話し合うことが可能だろう。]
[どんな状況でも、それはこの場合にも適合する。スキル使ってみて]
言われたとおりにウインドウに手をかざす。
〈スキル︰対話〉
頭の中で唱えた瞬間に手元にキーボードが現れる。
ウインドウに似た白に灰色のマーブルで大理石のような高級感に既視感を覚える。
[何かしらの対話用機器がでてきたでしょ?]
[それに僕への返事を書いてね]
〔あなたは、誰?なの?〕
[それは言えない。約束があるからね]
〔なんて呼べばいいか迷わない?〕
[何でもいいよ]
〔僕のこと知ってるの?〕
[魂の根本だけね]
〔あそこの2人は?〕
[あいつらは僕のこと何でも知ってるはず]
〔なのに言えないんだ〕
[矛盾だと思う?]
〔とりあえず信じておく〕
〔この職業何?〕
[うーん、君専用のやつかな?]
「光希?ウインドウがどうかした?」
瀬戸さんもこちらに気づいて僕の方へと来ているので、今日はここまでにしておこう。
「なんでもないよ。」
最後にメッセージに返事しておく
〔とりあえず、ENAって呼んでいい?〕
少し間を空けて返事が返ってくる。
[…うん、いいよ]
[話したいことがあったらスキルの履歴から連絡して]
そうメッセージを残してキーボードごと消えた。
物理的距離ではなさそうなので、心理的距離が遠くなり、スキルが使えなくなってしまったのだろう。
また一人の時に対話を試してみよう。
「って光希話聞いてるぅ?!」
少し年相応の話し方に落ち着いてきたミレイちゃんの言葉に耳を傾けた。
誤字脱字があったら報告していただけると幸いです。