表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

海底のなかの告白

作者: 祁答院 刻

ザッと

くずれるように血の気が引いて


万物すべてに冷めるようなきがしたよ


ひとり

おもいでの片鱗をいとおしむ

わたしたちのおもいでも

もうすぐ時効をむかえるから


つれなく重い両腕で

水圧のなかに

あのひの表情をさがしたりもした


わたしとあなたの

忘れるはずの無い

あかい表情 あおい表情


ぜんぶぜんぶ

むらさきに ねじけていったね

             

砂浜は はだいろにとけていた

             

                      


あの日

ドラマティックに浮かれた海は、もっと

青かったと

記憶していて


海底では

みどりっぽい淀んだ水が

肺を懲らしめようとしている


もっと正当な処置があるでしょう、と

ちいさくてまあるい

泡をはく


心臓が楕円にパンクする


ひかりの薄い海底で

こころおだやかに

かんがえる



せめてもと



切っても切れない

海底のなかの告発文を


あなた宛に記そうとおもう

告白、言い換えれば告発。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ